KinKi Kidsを突き動かす「中居正広を笑わせたい」という思い 『音楽の日2023』の裏側を語ったラジオを聞いて

KinKi Kids 『Amazing Love』@「音楽の日2023」

 そんな期待を受けて今年、KinKi Kidsが披露したのは中居と安住紳一郎アナウンサーと全く同じ衣装に身を包んで登場するという演出だった。実は中居が今回の衣装を決めたのは、その日の「午後1時半ごろだった」と、7月17日放送の情報番組『THE TIME,』(TBS系)で安住アナが証言。リハーサルでは別のことをしていたため、本番に何食わぬ顔で同じ衣装で登場した2人に番組スタッフもみんな大爆笑だったという。

 堂本光一は、このサプライズを成功に導いたのはスタッフの努力があったからこそだと言及。「本番当日、衣装を合わせていこうっていうことになって、急きょスタイリストが駆けずり回って衣装探したわけでしょうね。大変ですよね。大変だったと思います。我々は着るだけですけどね」と労った。大変だからこそやってやろうと頑張らずにいられないのが、エンタメ根性。KinKi Kidsの周囲にいる人たちも2人の「中居を笑わせたい」という思いに感化されて、気合たっぷりにこのサプライズを実現させたのではないだろうか。

 さらに、衣装を被せて登場しただけでなく歌唱シーンでも笑わせてくれたKinKi Kids。7月31日放送のラジオ『KinKi Kidsどんなもんヤ!』では堂本剛が安住アナになりきるために、体をなるべく動かさずに歌い切るという細かなこだわりも語っていた。「体も楽器ですから、いろいろ角度を変えて歌うほうがラクなんですけど」と、歌っている途中から「これは厳しいぞ」と思ったそう。しかし「やっぱり安住さんを始めたわけですから、ちょっとこれは何がなんでも乗り切ろうということで、自分の様々なスキルを駆使して安住さんを完走したというような感じでしたかね」と振り返る。

KinKi Kids 『フラワー』@「音楽の日2023」

 確かに当日のパフォーマンスは普段の堂本剛の歌唱スタイルとは全く異なり、不自然なほど直立不動だった。しかも歌うのは、夏の開放感を感じられる「フラワー」とあって、さらに違和感満載。きっと「光一くんが普段ああいう服、絶対着ないからこれはいいなっていうのもちょっとあって」と堂本光一がいつもと違う雰囲気を出すのであれば、自分もアナウンサーを意識して振る舞うという新鮮さを見せていこうとしたのだろう。そんな細部にまで面白さを追求していくところが、まさにエンターテイナーだ。

 また、2曲目の「Amazing Love」ではラストの〈Amazing Love! Amazing Love! La La Love!〉の歌詞を〈ナ・カ・イ! ア・ズ・ミ!! ナ・カ・イ!!!〉と変更して歌い上げる。中居に向かって拳を突き出して熱唱している姿を見て、もはや中居に笑ってもらうためだけのステージのように見えてますます愛らしかった。

 生放送の歌番組で何が起こるかわからないというドキドキ感と、みんなに笑顔を届けてくれるKinKi Kids×中居正広の絡みは、テレビの良さを象徴するようなものだ。加えて、9月30日正午までと期間限定ではあるもののKinKi KidsのYouTubeチャンネルでも、この歌唱シーンの動画が公開されているのが嬉しい。しかも、最後に中居の表情まで映り込んでいるではないか。テレビの良さのみならず、今後ネットの良さを生かした兄弟の絡みが実現する“知恵”もぜひ期待したいところだ。

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