Nissy(西島隆弘)、日本音楽史上で唯一無二の成功を収めたソロアーティスト デビューから10年間の軌跡を振り返る

 二つ目は、表現者としての実力だ。言わずと知れた歌唱力やパフォーマンス力の高さは2020年公開のライブフル映像(※3)などでぜひ体感してもらいたいのだが、楽曲の制作・レコーディング、ライブ制作、映像編集……と常に仕事に意識を向けて創作活動を行う西島は、とにかく納得のいくものができるまでとことんこだわり抜く人だ。世間に出すもののクオリティには人一倍真摯に向き合い、決して妥協しない。それゆえに、ライブから日常に戻っても変わらず“夢の続き”を見せてくれるNissy Entertainmentは、人々を魅了してやまない、唯一無二のエンターテインメントなのだろうと思う。

 一方で役者の顔も持つ西島は、2009年に園子温監督作『愛のむきだし』で映画デビューすると、その後は2012年に大河ドラマ『平清盛』(平頼盛役/NHK総合)、2016年にはドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(井吹朝陽役/フジテレビ系)への出演も経験。また、2017年には自身初監督作品となるミュージックショートフィルム「OK?~君に贈る24時間~」を手がけ、映像監督としての才能も見せる。2014年頃、AAA「さよならの前に」のMVメイキング映像の中で「(映像を)撮る方もやってみたい」と話していたが、その言葉が現実になった出来事でもあった。さらに、音楽活動にとどまらない手腕はアパレルブランド「Naptime.」やジュエリーブランド「SoireeO(ソワレ・オー)」のプロデューサーとしても発揮され、あらゆるクリエイティブ活動でワクワクを巻き起こしている。そんな様々な経験もNissy Entertainmentに還元されているのではないだろうか。

 最後に挙げたいのが、人間性だ。西島はこれまで、2018年・地元 北海道の胆振東部地震でのボランティア活動、2019年・台風15号の被害を受けた千葉県山武市と八街市への支援物資搬入に加え、2020年の豪州森林火災(10万ドル)と国立国際医療研究センター(1000万円)への寄付、最近では秋田市と九州北部での令和5年7月豪雨に際する寄付(計2000万円)など、数々のボランティア活動や寄付による復興支援を行ってきた。自分が赴くだけでなく、支援を考えるファンに向けた具体的な情報発信も行っており、支援の輪の拡大に向けた取り組みも窺える。小学生の時、彼は卒業文集に「やさしい魔法使いになりたい」という夢を記し、「魔法が使えるようになったら大金持ちになって、困っている人たちを救いたい」という趣旨の内容を綴っていた。小学生の時に描いた夢を体現する存在となった今も、誰かの幸せのため、“僕にできること”を日々考え続けているのだろう。彼が魔法使いと称されるもう一つの理由はここにある。

 咋年ツアーの福岡公演で地元・札幌ドームでの初ライブ開催ならびに6大ドームツアーとなることを発表した西島は、“5大ドームや6大ドームを目標にしているわけではない”とした上で、それ自体が話題になることがエンターテインメントなのではないかと率直な心境を語った。目から鱗の視点だが、確かにそうかもしれない、と頷いた人は少なくないように思う。2018年の東京ドームで「遊園地でもなく、映画でもなく、僕のエンターテインメントを選んでくれたことを本当に嬉しく思います」と感謝を述べたNissy。トップオブエンターテイナーに名を連ねながら、謙虚でどこまでもまっすぐな、人間味溢れる彼自身と、そして彼が生み出すエンターテインメントは、この先もずっと愛され続けていくことだろう。

※1:https://twitter.com/Da_iCE_SOTA/status/364706067415973888?s=20
※2:https://whitejam.net/contents/486463
※3:https://youtube.com/playlist?list=PLZpKf4DGlpjz9ETsX5dvM4YMYknaO8Nd4

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