日向坂46 正源司陽子&藤嶌果歩、互いに支え合う特別な関係性 四期生の活動で培われてきた“挑戦したい”という想い

「それでも“立ち向かっていくんだ!”っていう姿勢を届けたい」(藤嶌)

――ここからは四期生楽曲「見たことない魔物」について聞かせてください。まず、今回もタイトルのインパクトが強いですよね。

藤嶌:前の2曲がカタカナだったので、今回も絶対にカタカナのタイトルだと思っていたんですけど(笑)。

正源司:わかるわかる(笑)。

藤嶌:そしたら、「魔物」というゴリゴリのワードのインパクトが本当に強くて。それはそれで、私的にはお気に入りのタイトルです。

――前作「シーラカンス」のときも、四期生の皆さんは「次はどんなタイトルかな?」とワクワクしていたとおっしゃっていましたよね。

正源司:そうなんです。なので、今回もみんなで予想大会をしていました。みんなは「次は漢字のタイトルだよ!」とか「こういうテイストじゃない?」とか言ったり、私は「また1作目のテイストに戻って植物系じゃない?」みたいな話をしていたんですけど、さすがに「魔物」は予想外でした(笑)。でも、いざ曲を聴くと、若い子たちの心の中を魔物に例えているのかなと感じたりして、なんだかとても深くて、それでいて青春ならではの青い部分も感じられる素敵な曲だなと思いました。

――あのタイトルから、さすがにこのポップで爽やかな曲調は想像できませんでしたよね。

正源司:できないですよね。

藤嶌:最初にタイトルだけ公開されていたので、たぶん皆さん気になっていたんじゃないかと思います。でも、曲を聴いてMVを観たら、きっと印象が180度変わると思うので、本当にいろんな方に知っていただきたいです。

――歌詞は正源司さんがおっしゃるように、読み込めば読み込むほど深みを増していくような内容です。

正源司:「魔物」の部分に自分が思う、立ち向かいたいものを入れてみても、結構面白いんじゃないかと思いました。それぞれのいろんな思いが詰まったものを連想することで、自分の道が開けていくんじゃないかと思いますし、そこも私の好きなポイントでもあります。

――藤嶌さんは、この歌詞を読んでどう感じましたか?

藤嶌:やっぱり、普段生活していて逃げ出したくなってしまうときや、嫌な気持ちになったりすることは誰にでもあると思うんです。でも、そこで逃げるんじゃなくて立ち向かうことが正しいんだと思わせてくれるような内容なのかなと。

 「魔物」っていう恐ろしい存在にも立ち向かう姿勢が、この曲のキーポイントだと思いますし、私たちもアイドルになって難しいと思うことがたくさんあって、すべてがうまく行くわけでもないので、そういった普段抱えている悩みをこの曲に乗せて、「それでも私たちは立ち向かっていくんだ!」っていう姿勢を聴いてくださった方々、観てくださった方々に届けたいんです。なので、このキラキラした青春感の強いメロディやサウンドに自分たちの強い意思を乗せて表現しようという思いで、この曲の制作に取り組みました。

――そう考えると、今の四期生にぴったりな内容ですよね。

正源司:私もそう思います。MV撮影に入る前、安藤隼人監督が「この曲は己に歌いかけてほしい曲でもある。自分たちに送る曲として歌ってダンスして、MV撮影に臨んでほしい」とおっしゃっていて。確かに、今の四期生が抱えていることや立ち向かっていくべきこと、みんなで乗り越えていきたいと思っているものに対して、この曲がすごく支えになると感じましたし、同期のみんなとも「素敵な曲なので、いろんな人の心に届くようにしたいね。まずは私たちが心からこの曲を楽しんで、一生懸命に臨まないといけないね」って話をしました。

――なるほど。この曲では藤嶌さんが初めてセンターを務めています。ちょうど本作の制作に入る前の取材で、「(センターに)選ばれた喜びよりも先に、次なる自分への課題が一瞬にして湧いてきた」とおっしゃっていたことがすごく印象的で。そこから制作期間を経たことで、ご自身の中で何か感情の変化はありましたか?

藤嶌:最初は「自分のここが足りない」「ここをもっとこうしないといけない」って気持ちでいっぱいいっぱいだったんです。でも、この曲をいただいてMV制作が始まってからは、大好きな曲ですし、いろんな方に聴いていただきたいっていう気持ちが溢れてきて。センターはその曲を象徴する人であるべきだと私は思っているので、誰よりもこの曲を好きでいたい、この曲に似合う人になりたいという気持ちがどんどん強くなっていきました。

――実際、最初の「ブルーベリー&ラズベリー」はセンターの清水理央さんの印象が強くありますし、続く「シーラカンス」は正源司さんのイメージにすごく合っていたと思っていて。それぞれの曲が放つ色を、センターのメンバーが纏っている印象があるんです。今回もまさに曲の雰囲気やMVの世界観も含めて、藤嶌さんが真ん中に立つべき曲だと感じました。

藤嶌:ありがとうございます。そう言っていただけてホッとしました(笑)。

――正源司さんは「シーラカンス」で一度センターを経験しているからこそ、その大変さを重々理解していると思います。「見たことない魔物」の制作期間を通じて、新センターの藤嶌さんはどう映りましたか?

正源司:私のときは常に不安がつき纏っていて。性格的になかなか周りに相談できないままMVを撮って、その期間が終わっていったんです。ただ、そうやって経験させていただいた身だからこその視点も持っているので、何か果歩の力になれたらいいなと思って「見たことない魔物」の制作期間は声をかける機会も何度かありました。でも、果歩の自然な、ありのままのはっちゃけ感が完成したMVには色濃く出ていましたし、私が心配するまでもなかったなと思ったりもして。果歩の素敵さが詰まったMVが出来上がって、よかったなと思いました。

藤嶌:陽子は本当にいつも心配して、気にかけてくれて。そういう陽子の優しさが、私はすごく支えになりました。

正源司:ふふふ。ありがとう。

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