WENDY、世界へ羽ばたく新時代のロックンロール 運命的な出会いからアルバムデビューに至るまでのストーリーを語る

「世田谷から来たただの少年」のままビッグを目指す

――今回の「Runaway」も前作に続きマークとレコーディングをした曲ですね。

Skye:そうですね。「Runaway」はこの後控えているアルバムのリードに相応しい曲だと思ったから、凝っていろいろやってます。

――でも曲の構成はすごくシンプルですよね?

Skye:はい、歌詞も繰り返しが多いです。去年の夏に書いた曲なんですけど、車に乗って風を受けながらケイティ・ペリーを聴いていたことがあって、シンプルなリズム、リフだったので、こういう曲ほしいなと思って、すぐに最初のギターリフを思いついたんです。その日のうちにフレーズを作って、みんなに渡しました。そこにPaulがソロを入れたり、リズムを変えたりとかもして。

――その最初のリフが引っ張っていく心地よい曲です。

Sena:あれは気持ちいいよね。

Johnny:頭の部分はSkyeが弾くんだけど、リフに入っていくとPaulが弾くんだよね。あの感じがいい。

Paul:音色が違うからね。

WENDY - Runaway (Official Music Video)

――聴いた時に、ドラマティックな青春映画の始まりみたいだなって思いました。開放感の中で生まれたからこそ、歌詞もそういった内容になったんですね。

Skye:歌詞にはいろんな捉え方があると思うんですけど、それがいいなと思っていて。ひとつのキーワードを連発して、聴いている人たちがそれぞれ考えるみたいな。なんなら、「何も考えなくてもいい」くらいのシンプルさでやっていました。

――Johnnyさんはどのようにレコーディングに臨みましたか。

Johnny:俺はベースなので、ドラムをずっと聴きながらやっていたんですけど。曲構成がシンプルなこともあって、基本はずっと同じで、ギターやボーカルの邪魔をしないようにしつつ、合間でちょっと遊ぶ感じですね。俺も家で曲を作ったりするんですけど、元々は演奏の前に出るゴリゴリのベースが好きだったんです。でも自分で曲を作ってみると、あまりベースが前に出すぎない方が曲全体のまとまりがあるなって。

――前作「Pretty in pink」の歪むベースは、曲の中でも独特の色があってよかったですよ。

Johnny:あれはいいですよね(笑)。Led Zeppelinの「Heartbreaker」みたいな、めっちゃ歪む感じを意識してました。ちょっと動きはあるけど、邪魔しない程度にっていう。あの塩梅がベストですね。

――Senaさんはどうですか。

Sena:ドラムに関しては、3人から注文があることも多いんです。俺が「これどう?」ってやっても、ダメダメダメっていう……「ふざけんなよ!」って思ってますけど(笑)

一同:(笑)。

Skye:俺らが注文したことを彼なりにやってもらうことが多いんです。一番年上ですけど、そこらへんのリスペクトをまだ得てないっていう(笑)。

Sena:まだまだ先の話みたいです(笑)。

Skye:でも、いいドラムを叩くので。レコーディングではクリックを聞いていても(演奏が)走っちゃうドラマーも結構多いみたいなんですけど、Senaの場合は安定感を持っていて全然走らないので、やりやすいんですよね。

――「Runaway」は、来たるアルバムのリード曲になるという話がありましたが、どんな気持ちが込められているんでしょうか?

Skye:この曲から新たにスタートを切ろうっていう想いですね。聴いてくれる人が「次のWENDYは何を出すんだろう」って思っていることを、裏切っていきたいんですよ。「Rock n Roll Is Back」「Devil’s Kiss」と続いて、次に何が来るんだろうと思ったら、「When U Played Me」で爽やかなポップパンクになって、次にロカビリーっぽい「Pretty in pink」があって。その次は何かといったら、「Runaway」という壮大な青春ソングが来るっていう。その後にアルバムがあるという物語性も俺は大事にしていますね。音楽やMVについても、いろんなことを考えながらやっています。

――バンドがスタートしてからここまでスピード感もあるし、順調に来ていると思うんですけど、バンドとしての目標や計画はあったんですか。

Skye:10代のうちにデビューしたいなと思っていて。ひとり(Sena)、二十歳になっちゃったけど(笑)。

Sena:まあしょうがないね。

Skye:とはいえメンバーの平均年齢はまだ10代なので、そこはクリアできそうかなって。あと、ずっと前から言ってたのは、海外でのライブが叶えられたらいいなと思います。でも一方で、一時期は売れっ子みたいなスケジュールになったこともあったけど(笑)、まだ実家にいて地元で遊んだりしている自分たちもいて。

――地元の友人たちと遊ぶ日常があることも大事ですからね。

Johnny:大事ですね。もともと友達同士からバンドになったので。バンドメンバーとしてではなく、友達に戻る時間が絶対に必要なんです。その間にいろんな話もできるし。

Skye:一時期は練習だけ来て、疲れたから帰る時もありましたけど、前みたいに夜遅くまでみんなで集まる時間ができると、やっぱりこういう時間って大切だよねって思いました。バンドメンバーだけじゃなく、地元にいる友達も今までサポートしてくれたので、そこで自分たちの空気を入れ替えるというか。こうやってロックバンドとしてやってるけど、普通に「世田谷から来たただの少年です」っていう謙虚な気持ちもあるので。4人でいたらアホみたいなこともいっぱいするし、どれだけビッグになってもその気持ちは忘れたくないですね。

――日本でもなかなかいない存在になってますが、世界に目を向けると、例えばイタリアからMåneskinが出てきたりしていて。同時代、同世代の人たちが痛快なロックンロール、ロックバンドをやっているというのは、どこかで意識していますか。

Skye:Måneskinがヒットする前にバンドを組んでいたんですけど、いろいろ複雑な気持ちではありましたね。「先を越された!」っていう悔しい気持ちもあれば、扉を開けてくれたなとも思うので。でも「負けないぞ」っていう気持ちですし、彼らがイタリアから世界へ出ていったからこそ、俺たちも日本から世界にデビューできるんじゃないかなっていう可能性を感じています。

「Runaway」

■配信情報
Digital Single「Runaway」
2023年6月21日(水)配信

ダウンロード/ストリーミング
https://wendy.lnk.to/runaway

■アルバム情報
Major 1st Album『Don't waste my YOUTH』
2023年8月23日(水)

アルバム詳細
https://www.jvcmusic.co.jp/-/News/A028246/1.html

●初回限定盤(VIZL-2209)
・CD+DVD
・¥4,400税込
・DVD収録内容
MUSIC VIDEO、WENDY RECORDING MAKING with Marc Whitmore

●通常盤(VICL-65870)
・CDのみ
・¥3,300税込

●VICTOR ONLINE STORE限定商品
・初回限定盤(CD+DVD)+PHOTO BOOK:¥7,700税込
・通常盤(CD)+PHOTO BOOK:¥6,600税込

■ライブ情報
ワンマンライブ『Donʼt waste my YOUTH』
日時:2023年8月25日(金)OPEN 18:00 START 19:00
会場:SHIBUYA CLUB QUATTRO

WENDY Official HP

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