BiSHはなぜ我々を夢中にさせ続けたのか 商業性を超えて提示してきたロックバンドとしてのアティチュード
アユニ・D「悲しくなったらこの景色を思い出してください」
過酷な合宿の模様を映したドキュメンタリー映画シリーズなどに象徴されるように、ファンに「グループの裏側」を見せて「成長過程」のストーリーを体感させ、共感性を深めていったところは、BiSHのブレイクを振り返る上で欠かせない要素である。それがBiSHをどんどんエモーショナルな存在へと高めていった。
ただそういうエモさ以上に、「ロックバンドよりもロック」と言われるようなアプローチがBiSHの一番の魅力だったと感じている。シビアに「数字」を意識する商業的な部分がありながら、それを超えるアティチュードをしめす。それがBiSHの格好良さである。
2022年5月29日、香川県で開催されたイベント『MONSTER biSH 2022 ~最後にもう一度!絶対出たいぞモンバス!!~ supported by MONSTER baSH』の最後に、メンバーのアユニ・Dがこんな言葉を投げかけていた。
「みなさん、この景色を忘れないでほしい。悲しくなったらこの景色を思い出してください」
BiSHは間違いなく日本のアイドルシーンにずっと語り継がれる「伝説」である。東京ドームでの解散ライブ後もきっと、彼女たちが作った「景色」が忘れられることはないだろう。

























