King Gnu、関ジャニ∞、ゴールデンボンバー……ライブステージでの奇抜な行動にはアーティストの信念が?

 こうした演奏や歌唱の外で繰り広げられるパフォーマンスをひとつの持ち味として磨いているアーティストも多い。代表格と言えるのはゴールデンボンバーだろう。ライブでは段ボールを用いた小道具をふんだんに用い、茶番を繰り広げていく。2012年の初武道館公演では溶接資格を取得した喜矢武豊が「抱きしめてシュヴァルツ」のギターソロ中にステージで金属を溶接するなど、前代未聞のパフォーマンスを磨き続けてきた。

ゴールデンボンバー「抱きしめてシュヴァルツ」Live 2012/1/14 日本武道館

 段ボールと言えば四星球を忘れてはならない。各フェスやライブごとに段ボールで小道具を仕込み、その日にしか観ることのできないパフォーマンスを披露する。コミカルな要素に目が行きがちであるが、初見の観客も、何度も観ているファンも、誰もが楽しめるライブを行うサービス精神の表れと言えるだろう。

【密着】コミックバンド・四星球 ダンボール小道具を使用したライブ

 この他にも、ヤバイTシャツ屋さんは『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』に出演した際、その暑さを表現するために、ステージに置いたフライパンの上で目玉焼きを作ろうとした。また、打首獄門同好会は「デリシャスティック」という楽曲にちなんで、うまい棒を観客に配布するパフォーマンスを行い続けている。イロモノのように思われがちだが、こうした行動はライブそのものの熱を高め、演奏との相乗効果も間違いなくあるのだ。

 ライブのテンションとパフォーマンスが完全に乖離しているミュージシャンもいる。昨年2度目の解散をしたNUMBER GIRLの向井秀徳はその代表例だ。特に休憩というわけでもないタイミングでタバコを大量に吸い、配信ライブでは拳銃をカメラに向けて突きつける。その珍妙な行動と壮絶な演奏の分離は、形容しがたいシュールな高揚感がある。これもまた、音楽の外のパフォーマンスがもたらす効果と言えるだろう。

 こうした珍行動はSNSでもよく取り上げられ、時に音楽そのものの枠を越えて話題にもなる。しかし、これらの行動は、実際に現場で体感することに強い意味がある。なぜだかわからないが笑ってしまい、時にはどういう意味かわからないままドキドキする。珍行動のなかに潜む、アーティストのこだわりを味わうのもまたライブの面白さだと言える。

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