King Gnu、関ジャニ∞、ゴールデンボンバー……ライブステージでの奇抜な行動にはアーティストの信念が?
ライブステージはアーティストによって生み出される自由な空間である。そんなオリジナリティ溢れる舞台において、時に思いがけない場面に遭遇することもある。
たとえばKing Gnu。先日、大阪と東京でスタジアムライブ『King Gnu Stadium Live Tour 2023 CLOSING CEREMONY』を開催した際、MC中に常田大希と井口理がステージ上でタバコを吸い始めたのだ。ファンのあいだで“タバコ休憩”と話題になったこの一連の行動だが、数万人を相手にするライブにおいて素の時間を設けるというのは大胆不敵さに溢れているように思える。スケールの大きなロックバンドでありながら、オフの姿も隠さずステージ上で見せるという点が、King Gnuの求心力に結びついているのかもしれない。こうしたライブでの特殊な行動は、時にアーティストの本質が表出するものなのだ。
ずっと真夜中でいいのに。のACAねは、今年のはじめに開催された国立代々木競技場 第一体育館でのライブ『ROAD GAME「テクノプア」~叢雲のつるぎ~』で、MC中にライブ会場で販売されていたキムチ納豆大葉巻きおにぎりを食した。グッズ紹介の一環だったようだが、アリーナの大会場においては稀に見る自由な振る舞いと言える。しかし、その不思議なようでいて親しみやすい姿は、ずとまよの音楽が示す“孤独な夜への寄り添い”と一貫して繋がっているように感じる。ライブでも顔を見せないACAねの人間性の一端を知れる貴重な瞬間だった。
また、食事で言うと関ジャニ∞のパフォーマンスもかなり興味深い。2022年夏に開催されたスタジアムライブ『18祭』では、シブがき隊「スシ食いねェ!」のカバー中に、寿司屋に扮した大倉忠義が振る舞う寿司を丸山隆平が次々と食していくという演出がなされた。さらに、冬の同名ドームツアーでは、替え歌「ニク食いねェ!」に合わせて丸山が肉を食らっていくという、進化した笑いも提供した。面白さのためならスタジアムやドームで食事を行うことも厭わない、関ジャニ∞らしい珍行動と言えるだろう。