甲斐田晴・長尾景・弦月藤士郎によるVΔLZ、初単独ライブは発見が満載のステージに パフォーマンスで提示した無限の可能性

 甲斐田と弦月は、頻繁に「声が似てる」と言われることを告白。後ろを向いて声を当てるクイズを出題するが、客席が見事に騙されてしまい間違えるハプニングも。そんな相性の良い声を活かした「チューリングラブ」は、キュートな振り付けでパフォーマンス。掛け声や合いの手で会場も一つになった。

 次に甲斐田が“特殊なコールアンドレスポンス”をレクチャーした後、「パラレルノー細胞」を歌唱。「ついてこいよ!」と煽り、コールアンドレスポンスも相俟って客席の熱が一段と上がる。「透明な心臓が泣いていた」では会場を見渡して時折笑顔を見せながら、熱いメッセージを迸らせ、強いカリスマ性を感じさせた。

 怒涛のセットリストの後、舞台後方から不穏な音と暗闇が迫る。なんとライブ会場に「魔」が入り込み、VΔLZ三人がそれを退ける、というドラマが舞台上で繰り広げられたのだ。ハイレベルな殺陣・戦闘アクションや術式の詠唱といった、ドラマチックな場面をリアルタイムで目撃できたとあって、興奮のざわめきで会場が包まれる。

 さらに驚きのステージは続き、三年ぶりの新曲「No reason.」を初披露。ハードなラップからメロディアスなサビに繋がるクールな一曲だ。三人の声の特徴を活かした掛け合いと、力強いサウンドが心地よい。「サマータイムレコード」では拳を振り上げ客席を煽ると、それに応えるようにペンライトが激しく揺れる。

 本編最後を飾ったのは、新曲「SHOOTING DELTA」。煌めきを携えた前向きなメロディに、三人が歌うことで強い意味が生まれる歌詞がのった意欲作だ。「今日は来てくれてありがとう!」「まだまだ突き進んでいくのでこれからもVΔLZをよろしく!」と、客席に呼びかけ、希望に満ちた空気のなか本編が終了した。

 アンコールに応え再登場した三人は、晴れやかな表情を見せた。初めてのライブに寄せ、「みんなが『ありがとう』って言ってくれるけど、ここに立てているのは(ファン)みんなのおかげで、スタッフさん、VΔLZのメンバー、バンドメンバーのおかげ。僕からも目一杯のありがとう!」(弦月)、「三人でこの舞台に立てたのがとても嬉しい。同じ日にデビューして三年間やってきて、ここに繋がっている。これが始まりです、終わりじゃない。これからもっとでかくなるぞ! 応援よろしく!」(長尾)、「VΔLZのデビューの時から一緒に歩いてきたメンバー。自分たちの色々なものを認めてもらえて、機会をもらえたのは本当に嬉しい、チャンスをくれたのは、来てくれたみんな。ありがとう!」(甲斐田)と、それぞれの言葉で感謝を告げ、未来への希望に満ちたメッセージを贈った。

 この日のラストナンバーは、「虹色のPuddle」。会場の隅々にまで手を振り、「ありがとう!」「楽しかったよー!」と想いをぶつけ合う。ステージと客席、ネット配信までがひとつとなり、VΔLZの記念すべきファーストライブの幕が閉じた。

 メンバーにとってもファンにとっても忘れられない初ライブとなっただろう。三人の個性が輝き、VΔLZというユニットとして無限の可能性を示した。二曲の新曲発表も含め、今後の彼らの音楽活動がますます楽しみになる充実の二時間だった。

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