Agust D名義で4月下旬に初の公式ソロアルバム『D-DAY』をリリースしたBTSのSUGAが、同アルバムを携えたワールドツアーの日本公演『SUGA । Agust D TOUR 'D-DAY' in JAPAN』を神奈川県 ぴあアリーナMMで開催した。来日後、ラジオの収録やテレビ番組で日本公演について「たくさんの人に観てもらいたい」「本当に楽しんでほしい」と語っていたSUGA。果たしてどのようなステージが繰り広げられたのだろうか。本稿では、6月4日に行われた公演最終日の模様をレポートする。

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　会場が暗転し、まずは映像からスタート。まるで走馬灯を見ているかのようなSUGAが、雨の降り注ぐ路上で寝そべっているシーンが印象的で、映像が終わると雨と雷の演出からステージにスモークが焚かれていく。目を閉じたSUGAが4名のダンサーに担ぎ込まれてくると、ステージの上に寝かせられた。最新アルバム『D-DAY』より、タイトル曲「해금 (Haegeum)」のイントロが始まると、マイクを持って起き上がったSUGAが荒々しいラップを披露。全身真っ黒の衣装に身を包んだ彼のパフォーマンスは駆け出しから非常にクールで、会場に駆けつけたファンを楽曲の持つダークな世界観へと一気に引き込んでいく。

　ステージ上のダンサーによって黒い羽織を着せられたSUGAは、2曲目に「대취타 (Daechwita)」を披露。1曲目で作り上げた会場の雰囲気を引き継ぎながら、トラップビートと韓国の伝統楽器によるサウンドが調和した楽曲で、さらに会場の熱を高めていった。3曲目は「Agust D」。楽曲中に「今日が最後の公演です！　楽しんでください！」と日本語で会場のファンを煽ると、重く響くドラムと歪むエレキギターのサウンドの中で、彼の持ち味のひとつである高速ラップが繰り広げられていく。

　そして、SUGAが「みなさん、こんばんは！　D-DAYツアーにようこそ」「今日が最後の公演です。全力でいきます」と会場に語りかけると、4曲目に「give it to me」を披露してMCへ。

　「ARMYのみなさん、こんばんは。SUGAです。みなさんに会えて嬉しいです」と、笑顔で挨拶するSUGA。「ソロのコンサートは初めてで、すごく楽しみでした」「もう最後の公演、寂しいです」とコメントしたあと、次にSUGAが自身のアコースティックギターで「Trivia 轉 : Seesaw」を弾き語った。それまでのパワフルかつダークな世界観とは打って変わって、切なげなアコースティックサウンドが展開され、SUGAは会場に今の想いをすべて伝え切りたいと願うような表情で、歌とラップを披露した。

　続いて、椅子とテーブルのセットに座り、穏やかなメロディが印象的な「SDL」へ。SUGAは会場にもマイクを向けて歌唱を求めながら、楽しそうな表情でパフォーマンスし、最後にマイクにキスをするかのような仕草をして、会場をさらに魅了していった。

　「사람 (People)」「사람 Pt.2 (People Pt.2)」をパフォーマンスし終えると、SUGAの「もっといろんな人生の話を描いてみたいと思います」「もう一度、雰囲気を変えてみましょうか」というMCから、ステージは新しい空気へと切り替わっていく。「저 달 (Moonlight)」「Burn It」を続けて披露すると、SUGAが一旦ステージから捌け、映像パートへと移行した。

　映像が終わると、真っ白な衣装に着替えたSUGAが「Interlude : Shadow」を披露し、BTSの楽曲から重くクールなサウンドとラップが印象的な選曲のパフォーマンスが続く。「BTS Cypher PT.3 : Killer」「BTS Cypher 4」「UGH!」「땡 (DDAENG)」をショートバージョンで一気に披露すると、最新アルバムからJ-HOPEとコラボした「HUH?!」をパフォーマンスした。

　そして、再びMCへ。はめていた白い手袋を外すと、「すごく寂しいですね。でも、みなさんが一緒に歌ってくれてよかったです」と語りかけ、ピアノの前に着席。「Life Goes On」を自身で演奏しながら、時折会場のファンを見て歌うSUGAはとても満足そうな表情で、この公演を全力で楽しんでいることが伝わってくる。