MOONCHILD、『iCON Z』で磨き上げた鮮やかな個性でデビュー 苦楽を共にしたからこそ世界に届けたいメッセージ
「前に出ていくぞっていう感覚で、攻めのラップをしています」(MIRANO)
――そして、今回リリースされたデビューEPのタイトルが『DELICIOUS POISON』。このタイトルには、どんな想いが込められていますか?
UWA:“DELICIOUS POISON”は、EPのタイトルである以前に、オーディションが始まった当初から、オーディションを経てデビューするグループのコンセプトとしてプロデューサーさんたちが掲げていたものですね。キュートで可愛い側面を表す“DELICIOUS”と、クールでカッコいい側面を表す“POISON”が融合した言葉なんですが、いろんな姿や表情を提示していく意志が込められています。
HANA:コンセプトの“DELICIOUS POISON”がグループ名の由来にもなっていて。日々形が変わる月のように、変幻自在なパフォーマンスを届けられるグループになってほしいと、MOONCHILDという名前をつけてくださいました。
――先行配信されたリード曲「Don’t Blow It! -Japanese ver.-」(Music: ALYSA, Sofia Quinn, Tony Ferrari/Lyrics: Sofia Quinn, Tony Ferrari, red40/Japanese Lyrics: Lauren Kaori)は、楽曲を受け取る人々に、ファンとしての本気度を問いかけるダンスチューンです。プロデューサーのØMIさんは「グローバルスタンダードなクオリティーを求めて制作しました」、作曲したALYSAさんは「自信を持って夢に向かって羽ばたいていくMOONCHILDが、この曲を通し“一歩踏み出す勇気”を与えてくれる、そんな楽曲になってくれることを願います」とおっしゃっていますが(※1)、曲を受け取った時の印象は?
MIRANO:オーディションの時は、「CHILI CHOCOLATE」や「ONE BITE」といった課題曲を歌ってきて。「CHILI CHOCOLATE」は真似したくなるような可愛らしい振付が特徴だし、「ONE BITE」では“POISON”を強く感じられるようなクールでセクシーな私たちをお見せできたと思っています。そして、「Don’t Blow It!」は“DELICIOUS”と“POISON”の両方が共存している曲だなと思いましたね。勢いのあるビートが効いたUSっぽいサウンドで、K-POPやJ-POPといった枠にとらわれない、新しいジャンルだなって衝撃を受けました。世界に発信していくデビュー曲にピッタリの楽曲だなと思います。
――皆さんがそれぞれ「Don’t Blow It!」で特に力を入れたフレーズや見せ場、印象的なレコーディングエピソードを教えてください。
UWA:私はオーディションの時に初めてラップをしたので、それまで、ラッパーとしての自分の良さを全然知らなくて。むしろ、歌う時にちょっと可愛い声になることが、自分にとってはコンプレックスだったんです。でも、オーディションを受けてからは「個性的な声」と好意的に言ってもらえる機会が増えたので、MOONCHILDのラップ担当として、それを強みにできたらと思いながらレコーディングに臨みました。見せ場は、MIRANOとのラップパートですね。ラップバトルとまではいかないけど、2人で掛け合いをしているイメージで、勢いのあるラップを求められるパートだったので、私たちもその期待に応えられるように、自信が溢れる感じを意識しながら録っていきました。
――MIRANOさんは合格発表の時に、ZEROさんから「再現度が高い。プロデューサーが作ったものをちゃんと世の中に届けてくれるという才能がある」と言われていて。「Don’t Blow It!」のMVを観ても、普段話している時とは顔つきや声が全然違いますし、今回もその才能が発揮されているのを感じました。
MIRANO:ありがとうございます。プロデューサーのみなさんの前で「Don’t Blow It!」を披露した時に、ALYSAさんに「このラップパートは、2人の自己紹介をするパートになってるんだよ」と教えていただいて。そのパートになった瞬間、私とUWAちゃんにスポットライトが当たるようなイメージでパフォーマンスするようにと、アドバイスをいただいたんです。なので、そこは2人で前に出ていくぞ! っていう感覚で、攻めのラップをしています。
――ちなみに、「Don’t Blow It!」と「Photogenic」は、全編英詞バージョンと日本語バージョンが収録されますが、言語によってラップの難易度は違うのでしょうか?
MIRANO:私はデビューEPを制作するにあたって、全編英語の楽曲に初めて挑戦したんですけど、ラップだと早口になるので、英語でのラップにはすごく苦戦しましたね。RUANちゃんやHANAのように、もともと英語が堪能なメンバーもいる中で、私はあまり英語に触れてこなかったので、英語を学ぶというところから始めました。レコーディングも、全編英語詞のリードトラック2曲だけで計5日を費やしました。でも、オーディションでお世話になったEmyliさんやAlisa(ボイストレーナー)さんに発音を矯正していただいたおかげで、違和感のない英語でレコーディングできたと思いますし、メンバー全員が一切妥協せずに、時間をかけて作り上げたからこそ、思い入れの強いEPが完成しました。特に「Don’t Blow It!」は、みんなの意気込みが迫力となって伝わる1曲だなって思います。
「オーディションからの成長を感じてもらえたら」(HANA)
――そんな迫力のあるサビを歌声でリードしているのは、RUANさんとHANAさんですね。歌ってみていかがですか?
RUAN:私がレコーディングで力を入れたのも、1番サビの〈Don’t blow it〉でしたね。サビ頭は音楽を聴く上で大事なポイントだと思うので、聴いた人がハッとするような印象にするために、パンチ力を強めて歌いました。曲にしても、パフォーマンスにしても、ビジュアルにしても、デビュー曲でここまで攻めた見せ方をするのって、あまりないことだと思うんです。しかも、MOONCHILDは5人それぞれが異なる強みを持っていて、それが1つになった時に一段と輝くグループなので、私も私にしか歌えない歌を届けられるように試行錯誤しました。
――それは独学ですか? それとも、細かくボーカルディレクションを受けながら?
RUAN:サビに関しては、ØMIさんとALYSAさんから、アクセントのつけ方やタイミングを教わりました。それによって、聴いた時の印象がだいぶ変わってくるので。実際、自分なりに歌っていた時からはだいぶ印象が変わりましたし、次に繋がる新しい引き出しを見つけられたなと思っています。
HANA:「Don’t Blow It!」は本当に苦戦しましたね……。本番のレコーディングに入る前に、何度か歌をチェックしていただく機会があったんですけど、RUANちゃんと私のボーカルを比べると、迫力が全然違っていて。私はこれまでバラードやゆっくりとしたテンポの曲を歌うのが好きだったので、あまり意識していなかったんですけど、「Don’t Blow It!」に挑戦してみて、アップテンポの曲が苦手だということに気づきました。ダンス経験が少ないことも一因かもしれませんが、リズム感がないなと。「Don’t Blow It!」はそれを克服することが大きな課題としてあって、ALYSAさんからも「RUANの歌い方に統一しよう」って言われていたので、RUANちゃんからアクセントのつけ方やリズムの取り方を教えてもらって、レコーディングに臨みましたね。この曲のレコーディングだけでも学んだことがたくさんあったので、オーディションからの成長を感じてもらえたらいいなって思います。RUANちゃん、ありがとう!
RUAN:いえいえ~(笑)。
――ANRIさんはパワフルなサビやラップパートを繋ぐように、清涼感のある歌声を届けていますが、印象的なフレーズはありますか?
ANRI:私は〈We could be the fairytale ending〉というBRIDGEパートが感情を込めやすかったですね。そのフレーズに行くまでのビート感も、ドゥッドゥッドゥッドゥッドゥッドゥッパーン! みたいな(笑)。一度盛り上がってから、波がサァッと引いていく場面なので、嵐の前の静けさのようなイメージで、パッと時間を止めるような感覚で歌いました。そこはパフォーマンスも、みんなが止まる中で私だけが前に歩いていく振付にしていただいたので、感情のこもった歌声と共に注目してもらえたら嬉しいです。
MIRANO:ANRIタイム(笑)?
ANRI:そうそう。MVではみんなで歩いていくイメージシーンなんですけど、ライブではスーパーANRIタイムになるので、楽しみにしていてください(笑)。