コロナ禍に決意した“バンドで生きていく”覚悟 Atomic Skipper、メジャーデビューを経て届ける“真っ向勝負”の音楽

「一人ひとりに向けて歌うようになった」(中野)

Atomic Skipper - 1998(Music Video)

ーー9曲目の「周回軌道列車」についても聞かせてください。というのも、神門さんのSNSやブログを見ると「周回軌道」という言葉がよく出てくることもあり、この曲も思い入れの強い曲なのかなと感じまして。

神門:確かに、僕的には「これこそ『Orbital』だ!」と思った楽曲です。1stミニアルバム『思春を越えて』(2020年1月リリース)や2ndミニアルバム『人間讃歌』(2021年4月リリース)のときのような初期衝動で曲を作れた感覚があるんです。「うわ、めっちゃいいメロディができた!」と思って楽器隊に投げたら、2人がすごいスピード感でアレンジをしてくれて。すごく楽しかった! 歌詞もロマンチックな部分を入れられたし、熱いところとそうじゃないところのバランスも良い感じで、気に入っています。

ーー“周回軌道”の歌詞にあるようなことは、最近よく考えていらっしゃるんですか?

神門:めっちゃ考えていますね。さっき、ターニングポイントとして「この1年」という言い方をしましたけど、あの1年は、作品をリリースして、ツアーをしての繰り返しで。そのサイクルや「ライブハウスは帰ってくる場所だ」という感覚が、公転周期に似ているなと思って。自分という人間がいて、その周りに出会いや別れといった事柄が巡っている。逆にライブハウスから見たら、ライブハウスの周りを回っている自分がいて。でも、一周してまた同じライブハウスに戻ってきた自分は、何にも変えられない経験をして戻ってきているわけで。「あのときにぶつかった課題をもう越えられているな」という実感って、ふわふわしていて形にはならないけど、僕はこの4人でバンドをやることによって、その実感を音楽で形にすることができるから。

ーーたしかにそうですね。

神門:あと、この曲を9曲目に置いていることにも意味があって。〈線路を軸に半回転〉という歌詞がありますけど、この曲を『Orbital』の周回軌道の折り返し地点として考えていて。なので、この曲から帰り道になります。13曲目の「もう帰ろう」には〈間違えて乗った快速急行列車〉という歌詞がありますけど、さっきまで僕が乗っていたのが快速だろうが、鈍行だろうが、どんなに遅かろうが、回り道をしようが、この道を通ってきたという事実は変わらない。その想いを込めつつ、アルバムという一周を終えるようなイメージです。

中野:私、この曲を聴いてふと思ったことがあって。それまで私はリスナーというものに対して、漠然とした意識を持っていて、“リスナー”というひとつの括りとして見ていたところがあった。でも、最近は「この人、前にも来てくれたな」とか「あの人の人生ってどんな風なんだろう?」と考えるようになって。具体的に「この人がリスナーなんだ」ということを意識しながら、一人ひとりに向けて歌うようになった。そんなときにこの曲の歌詞を読んだので、「自分の今の気持ちが乗っかっている!」と思いました。

久米:楽器隊としては、神門から「好き勝手やっていいよ、たぶんそれが一番かっこよくなるから」と言われたので、好きなことをやった結果、めっちゃいい感じになったという。演奏していて楽しい曲です。あと、僕はシンプルにこの曲のメロディが好きです。

松本:「好き勝手やって」と言われた中でも、「サビだけライドシンバルでビートを刻んでほしい」と言われて。すごくスピード感のある曲なんですけど、ライドで刻んでいるおかげでロマンチックさが出たと思います。ぜひスピーカーとかヘッドフォンで聴いてみてほしい、オススメポイントです!

ーーほかにもアルバムには多彩な楽曲が収録されていますが、松本さんが話してくださったような、「この曲のここを聴いてほしい」というポイントはありますか?

久米:僕は「もう帰ろう」のCメロ。ドラムだけになって、シンガロングするところです。レコーディングしているときもいいなとは思っていましたが、あらためてアルバムの収録曲順で聴いていったときに、急にドラムと声だけになるのがすごくロマンチックで、喰らいました。ドラムのキックも少し遅らせていたりして、その凝った部分や歌詞、曲順も加味して、すごく好きなポイントです。

中野:私は「間に合ってます」です。サウンドはすごくポップでキャッチーなんだけど、歌詞は〈愛想笑いで誤魔化した冗談〉とか、ちょっと皮肉っぽい。そのギャップが面白いなと。レコーディングはほぼ一発録りみたいな感じだったので、その衝動的で感情的な部分も感じ取ってもらえたらうれしいです。

松本:僕たちの新しい一面が見せられたという意味で、僕は「1998」も好きです。こういうリズムは今までのAtomic Skipperの曲にはなかったし、ベードラとしては2番に面白いことをやっているので、そこも聴いてみてほしいです。

久米:何をしているか、説明はしなくていいの?

松本:説明はしなくていいです。気になったら皆さんDMください!

神門:ダメだよ(笑)! 僕は……まだ挙がっていない曲で言うと「生き抜く人」です。今作は感情を外に出すような曲が多いんですけど、「生き抜く人」は内に向けた曲。『人間讃歌』の頃にはそういう曲もたくさん作っていたんですけど、今回久しぶりに作ろうとしたら、自分の心をチューニングするのにすごく時間がかかってしまって。そのぶん、渾身の歌詞が書けたという手応えがあります。サウンド的にも新しいAtomic Skipperを提唱できたし、歌詞と楽曲の雰囲気がいい感じにマッチしているので、聴いてもらえたらうれしいです。

ーーそんな『Orbital』ですが、どのような一枚になったと思いますか?

中野:変わらない自分たちと変わっていく自分たちをちゃんと見せられて、聴いてくれる人を安心させられるようなアルバムになったと思います。これからも安心してついてきてもらえたらうれしいです。

ーー6月からはリリースツアー「Orbital tour」が始まります。このツアーへの意気込みを聞かせてください。

中野:曲や気持ちを届けることはずっと絶やさずにやってきたし、これからもやっていくつもりです。だから、このツアーではそれをみんなが受け取っている姿を見たい。その姿を私も敏感に感じ取るので、しっかり気持ちの交換ができるライブができたらいいなと思っています。

神門:本格的に声出しできるようになったし、ライブハウスがようやく以前のような状況に戻った……というよりも、新しい形になっています。それは、今まで僕たちバンドマンと、お客さんと、ライブハウスのスタッフさんと、みんなが根っこを張って作り続けてきたからこそ。新しい形になったライブハウスをこのツアーで回れることが楽しみだし、それ以上に「みんなでやってやろうぜ!」という気持ちでいます。

久米:『Orbital tour』という、名前通りのツアーにしたいですね。CDをリリースして、ツアーをやって、ツアーファイナルをやってーーという一連の動きを、この先も何回も繰り返すと思いますけど、4人それぞれが成長して、振り返ると「前回よりレベルアップしたよね」って言えるようなツアーにしたいです。ツアーの期間だけでも、初日からどんどんレベルアップしていくと思うので、そんな自分たちを見にきてほしいし、僕らも知りたいですね。

松本:CDのリリースツアーは久しぶりなので、この盤をみんなに届けに、ライブハウスに行けるのが楽しみです。曲はライブをしながら成長していくものだし、その日ごとによっても全然違う。このツアーで『Orbital』の曲たちがどう育っていくのか楽しみです。

※1:https://www.tumblr.com/jinmon0168/712648065771798528/orbital

Atomic Skipper『Orbital』 ジャケット

■リリース情報
メジャーデビューアルバム『Orbital』
2023年5月24日(水)リリース
形態 : CD+Blu-ray Disc
品番 :UMCK-1745
価格 :¥3,980
<収録内容>
[CD]
1.ココロ
2.1998
3.tender
4.ディアマイフレンド(Orbital ver.)
5.生き抜く人
6.間に合ってます
7.ブルー・シー・ブルー
8.スタンドバイミー
9.周回軌道列車
10.アンセムソング
11.ウォールフラワー
12.卒業
13.もう帰ろう
14.ロックバンドなら(Orbital ver.)
[Blu-ray]
Atomic Skipper “閃曲万頼FESTIVAL” 2023.2.26@ 恵比寿LIQUIDROOM
・星降る夜
・幸福論
・シグネイチャー
・人間讃歌
・スーパーノヴァ
・ウォールフラワー
・スタンドバイミー
・tender
・アンセムソング
・メイビー
・ココロ
・ロックバンドなら

■ツアー情報
Atomic Skipper『Orbital』tour
2023年6月11日(日)【静岡】磐田 FM STAGE※ワンマンライブ
2023年6月17日(土)【愛知】Live House R.A.D
2023年6月25日(日)【大阪】心斎橋 BRONZE
2023年6月27日(火)【東京】Spotify O-Crest
2023年6月30日(金)【兵庫】Music Zoo 太陽と虎
2023年7月7日(金)【三重】MUSIC SPACE 鈴鹿ANSWER
2023年7月8日(土)【香川】sound space RIZIN'
2023年7月9日(日)【岡山】CRAZYMAMA 2nd Room
2023年7月14日(金)【京都】LIVE HOUSE KYOTO MUSE
2023年7月17日(月)【広島】広島 ALMIGHTY
2023年7月21日(金)【神奈川】F.A.D YOKOHAMA
2023年8月3日(木)【福岡】福岡Queblick
2023年 8月23日(水)【茨城】水戸LIGHT HOUSE
2023年 8月24日(木)【千葉】千葉LOOK
2023年 9月1日(金)【岐阜】岐阜ants
2023年 9月2日(土)【長野】松本ALECX
2023年 9月3日(日)【石川】金沢vanvanV4
2023年 9月7日(木)【新潟】新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2023年 9月8日(金)【宮城】仙台enn 3rd

■関連リンク
『Orbital』CD予約ページ:https://umj.lnk.to/Orbital_AL
『Orbital』配信ページ:https://umj.lnk.to/Orbital_AS
Atomic Skipper Official Site:https://atomicskipper2014.com
Atomic Skipper UNIVERSAL MUSIC HP:https://www.universal-music.co.jp/atomic-skipper/                                                                                     
Atomic Skipper Twitter:https://twitter.com/atomic_skipper
Atomic Skipper Instagram:https://instagram.com/atomic_skipper?utm_medium=copy_link
Atomic Skipper YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCDMUFyG3EXn7Av6zwIGhRbw

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