=LOVE 野口衣織、≠ME 冨田菜々風、≒JOY 村山結香……指原莉乃プロデュースグループのボーカルパフォーマンスのすごさ

 指原莉乃がプロデューサーを務める=LOVE、≠ME、≒JOYの3グループ。コンセプトも楽曲の色もそれぞれ異なっているが、共通してファンを魅了しているのがステージでのパフォーマンス力の高さだ。本記事では歌唱力、歌声にスポットを当て、各グループからひとりずつ注目のメンバーを紹介していきたい。

想像を超える“憑依型” =LOVE 野口衣織

 =LOVEの歌唱力の高さを広くリーチしたのは、昨年11月に初登場した「THE FIRST TAKE」が大きい。披露したのは、グループの11thシングル曲「あの子コンプレックス」。楽曲のセンターを務める佐々木舞香に、野口衣織、諸橋沙夏という歌声に定評のある3人での編成だ。佐々木が主メロ、野口、諸橋がコーラスを担当するオリジナルアレンジであり、舞台裏に密着した動画では特に諸橋のハモリの練習の成果が発揮されていることがよく分かる。

=LOVE - あの子コンプレックス / THE FIRST TAKE

 =LOVE、≠ME、≒JOY合同の公式YouTubeチャンネルでは、以前から「THE FIRST TAKE」の形式を模した、いわゆる「歌ってみた」動画が多く公開されており、そのなかでも野口が2020年8月にカバーしたYOASOBI「夜に駆ける」のカバーは、現在までに200万回を超える再生回数を記録。続くシリーズとしてAdo「うっせぇわ」、さらに今年4月には優里「ベテルギウス」のカバーが公開されている。=LOVEの3rdシングル曲「手遅れcaution」の落ちサビをはじめ、“憑依型”とも呼ばれている野口のパフォーマンスの特色やベクトルはその選曲にも表れているが、筆者が思う彼女の魅力はこちらの想定を軽々と超えていくことだ。そのことが特に感じられるのが、「夜に駆ける」の落ちサビからラスサビにかけて。ギアを一段上げ、感情を込めながらも、オリジナルへのリスペクトもしっかりと伝わってくる。その絶妙な塩梅は「うっせぇわ」「ベテルギウス」も同様で、後者においては初の男性ボーカルのカバー。優里の強烈なビブラートを抑えることで、優しく繊細で、かつ突き抜けるような野口のボーカルが生かされている。「THE FIRST TAKE」を経ての「ベテルギウス」は一味違う。

ベテルギウス / 優里 Covered by 野口衣織

グループ随一の表現力を持つ ≠ME 冨田菜々風

 ≠MEの6thシングル曲「天使は何処へ」まで、全表題曲のセンターを務めている冨田菜々風。2020年5月に発表された彼女のソロ曲「空白の花」は、指原が当時における“今”の冨田の声で書き下ろしたい曲だったという。つまりは、ボイストレーニングやライブをそこまで経験していない、冨田の声そのものに指原は惹かれたということ。今、あらためて「空白の花」の音源を聴き返すと、混じりけのない、真っ直ぐで芯の強さを感じさせる歌声であり、あえてのたどたどしさが歌詞やMVの世界観を表現しているようにも思える。

≠ME 冨田菜々風 / 空白の花【MV full】(ノットイコールミー)

 同年11月にはヨルシカ「花に亡霊」のカバーを公開。冨田自身が好きな楽曲だということだが、先述の野口同様に満点の選曲であり、歌詞にある〈夏の匂いがする〉というのはそのまま冨田の歌声を言い表した言葉ではないだろうか。シングル曲では「君はこの夏、恋をする」「す、好きじゃない!」がそれらに当てはまる。それから3年が経ち、彼女本来の声質はそのままに、グループ随一の表現力に成長。「まほろばアスタリスク」「チョコレートメランコリー」「「君と僕の歌」」など、ライブでは楽曲毎に様々な歌声を響かせてくれている。≠MEは、現在開催中の『≠ME全国ツアー2023「We shout "I am me."」』の最終公演として日本武道館の2DAYSを6月に控えており、多くのメディアにも出演中。本日5月14日放送の『歌のシン・トップテン』(日本テレビ系)には冨田と櫻井ももが登場し、高橋真梨子の「for you…」を披露する。

花に亡霊 / ヨルシカ Covered by 冨田菜々風

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