TOMORROW X TOGETHER、エンタメと芸術を両立した多彩なステージ 最新ワールドツアー日本公演を観て

 TOMORROW X TOGETHERが、グループとして2度目のワールドツアー『TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : SWEET MIRAGE>』を開催している。今回は韓国からシンガポール、台湾、日本、アメリカにある13都市を巡っている彼ら。日本では4月14日の大阪公演を皮切りに、埼玉、神奈川、愛知でコンサートが行われた。今回、本稿では4月18日に行われた埼玉公演をレポートする。

 開演を待つファンで一杯となった、さいたまスーパーアリーナ。会場が暗転すると、ステージのスクリーンには、今回のツアーを理解する鍵となるであろう、メンバーを主人公とした物語の映像が流れ始めた。荘厳な調度品が置かれた部屋の中で、メンバーが緑色の飲み物を飲もうとするシーンで会場が突如暗転。ステージにライトが灯ると、ストリングスの優しげな音色が響く中で、貴公子のような姿をした5人のメンバーが登場した。

 1曲目は「5時53分の空で見つけた君と僕(Japanese Ver.)」を披露。爽やかで洗練されたリズムとサウンドの中、メンバーの軽やかなダンスがファンを惹きつけていく。メインステージで踊っていたメンバーが会場の中央に置かれたステージまで出てくると、「みなさん準備はいいですか!」という掛け声とともに、一気に会場の一体感をつくり上げていった。1曲目で出来上がった空気をそのままに、2曲目は「Can’t We Just Leave The Monster Alive?」をパフォーマンス。跳ねるような、それでいて力強さも感じる一糸乱れぬダンスを披露した後、MCパートへ移行した。

 公演全編を通してほとんど日本語で行われたMCでは、メンバーが息を切らせながら挨拶と自己紹介を実施。HUENINGKAIが「TOMORROW X TOGETHER WORLD TOUR <ACT : SWEET MIRAGE>へ起こしの皆さん、ようこそ!」と叫ぶと、SOOBINが「今回のツアーで埼玉のファンのみなさんに会えたらなと思っていたのですが、この夢を叶えてくれたファンの皆さん、本当にありがとうございます」とMOA(公式ファンクラブ名)への感謝を述べた。また、HUENINGKAIが今回のツアータイトル名「SWEET MIRAGE」には、「甘い蜃気楼」という意味があることを解説。「甘い蜃気楼とはなんなのか、今日の公演から一瞬たりとも目を離さないでください」と会場に語りかけた。

 そして、SOOBINが「ビートの準備はいいですか?」と呼びかけると、会場に軽快なビートが流れはじめ、メンバーはジャケットを脱いでTシャツとパンツスタイルで「Drama(Japanese Ver.)」を披露。ビートを軽やかに乗りこなすかのようなダンスに見惚れていると、曲が途中で切り替わり「No Rules」へ。続けて「Cat & Dog」をパフォーマンスし、クールなだけではない、キュートな彼らの魅力も感じられる多彩なステージを繰り広げた。

 ここで再びMCへ。MOAに成長した姿を見せたかったと語ったメンバーは、ファンとの交流を持ちたいと、先ほど披露したばかりの「Cat & Dog」のコール&レスポンスや、ペンライトを使った旗揚げゲームのようなやりとりを楽しんだ。TAEHYUNが「こうして一緒に過ごす時間、一生続いてほしい魔法のような時間です。じゃあ、今の瞬間が永遠になるように、TOMORROW X TOGETHERと一緒に……逃げようか!」と会場に呼びかけると、「9と4分の3番線で君を待つ(Run Away Japanese Ver.)」を披露した。その後、HUENINGKAIだけがステージに残り、魔法の世界にいるかのような神秘的な音楽が流れ始めると、せり上がったステージの上でソロのダンスパフォーマンスを披露。その振付に合わせて、ファンの持つペンライトが赤、黄、青へと変化するさまは、まるでHUENINGKAIが魔法を使っているかのような幻想的な演出だった。

 その後、メインステージに再びメンバーが登場。「We Lost The Summer」「Can’t You See Me?(世界が燃えてしまった夜、僕たちは…/Japanese Ver.)」をパフォーマンスし、開演直後に流れた不思議な物語の映像の続きを上映。物語が佳境を迎えたところで、再びライブ本編へと移り、ローゲージニットとダメージジーンズに着替えたメンバーがハンドマイクで「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) [Japanese Ver.] feat. 幾田りら」「LO$ER=LO♡ER」「Dear Sputnik」「Magic」をノンストップでパフォーマンスした。そして、再び映像パートを挟むと、ライブ本編は新たな展開へ。

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