ゴリエ、はんにゃ.金田哲から足太ぺんた、バケモノバケツ委員会まで 踊り手が一堂に会した『ODOROYO Vol.2』徹底レポート
後半ブロックに突入し、怒涛のセットリストが繋がっていく。bake、りりり、チェゴ、芝健、まりん、まさと、カナタ、ハネル、いりぽんという大人数の編成による「ロールプレイングゲーム」(そらまふうらさか)では、白いTシャツにそれぞれの役職が手書きで書かれ、スキルを活かしたハイレベルなコラボレーションダンスで今回のイベントならではのお祭り感を演出。客席からも手拍子が送られ、大いに盛り上がった。
たまひよ。による「可愛くてごめん」(HoneyWorks)、まなこ・りりり・足太ぺんたの3人が見せた「ベイビーあいへいちゅー」(ナナヲアカリ)と、トレンドを押さえた楽曲が続き、それぞれの個性と曲の世界観を活かしたダンスを調和させたパフォーマンスで魅了する。
bake、バケモノバケツ委員会による「レミングミング」(かいりきベア)は、妖しげな雰囲気を醸し出しながらもハイテンポな楽曲を細かな動きで展開。
黒のスパンコールをあしらった衣装に身を包んだチェゴは、大人のステージを演出。パワフルかつムーディな「デスペレート feat. LOLUET」(TeddyLoid & Giga)を披露した。
アナタシアの「ゴーストルール」(DECO*27)では、チームとしてのまとまりを感じさせつつ、ソロパートで個々の高いブレイクダンスの技術でファンを魅了。技が見事に決まるたびに、ファンからは熱い拍手が送られる。
チェゴとバケモノバケツ委員会のコラボレーションでは、「ウタカタララバイ」(Ado)を個性的なアレンジで再構築し、楽曲の新たな可能性を示した。「映画『ONE PIECE FILM RED』文化祭」でパフォーマンス部門 グランプリを獲った振り付けがライブで初披露された。
ステージを広く使い、「星屑オーケストラ」(H△G)の持つみずみずしさを、エレガントかつエモーショナルに踊ったのは足太ぺんた。柔軟に全身を使い、卓越した表現力を見せつけ、客席からは大きな歓声があがる。
続くMCパートでは、急遽、男性演者全員による手押し相撲トーナメントが行われ、ダンサーならではの身体能力や筋力で見せ場を作り、会場は大きな笑いに包まれた。
イベントもいよいよ終盤に差し掛かる。次のパートでは、バックダンサー2名と女性演者全員を引き連れ、ついにゴリエが登場。「若いってすばらしい」と「Pecori♥Night」を続けてパフォーマンスした。キレのある動きとキュートな表情、ステージ全体が笑顔に包まれ、観客もペンライトや拍手で一体となり、客席とステージが幸福感に包まれていく。
MCパートで少し疲れた様子を見せたゴリエだが、世代トークやコール&レスポンスで会場を盛り上げると、当時のファンも踊り手ファンも大喜び。“踊ってみた”動画への意欲も見せ、今後踊り手たちとのコラボの可能性も示唆すると、客席からは喜びの拍手が送られた。
ラストナンバーは「気まぐれメルシィ」(八王子P)。この日出演した踊り手たちが入れ替わりながら全員登場、それぞれの個性を発揮し、この豪華なイベントの最後を彩った。
エンディングでは、はんにゃ.金田哲扮する“さとプー”とゴリエが初の対面を果たした。局を超えた奇跡的な共演に、会場からもあたたかい拍手が送られる。最後に、出演者全員と客席のファンで記念撮影が行われ、全力のパフォーマンスを終えた踊り手の晴れやかな笑顔と、楽しい思い出を紡いだファンの明るい笑顔でイベントは幕を閉じた。
エンドロールの最後に『Vol.3でお会いしましょう!』の文字があらわれると、客席からも興奮冷めやらぬ様子で大きな拍手が送られ、異例のアンコールの手拍子が巻き起こった。アンコールの実現は叶わなかったが、客席から放たれたその強い想いが、今後踊り手たちの可能性や『ODOROYO』の未来を明るく照らすことは間違いない。音楽とダンスの表現文化が、今後ますます成熟していくのを実感させられたイベントであった。