YONA YONA WEEKENDERS、大盛り上がりの記念日ワンマン 荒井岳史、蔡忠浩、原田郁子ら豪華ゲストも目白押しの“華金”に

 ライブが始まる前も、ライブの間も、そして終わった後も。4月7日、金曜日(磯野くんは何度も「華金」という言葉を使っていた)、バンドのメジャーデビュー記念日でもある「ヨナの日」に東京・恵比寿LIQUIDROOMでYONA YONA WEEKENDERS(以下、YYW)が開催したワンマンライブは、「せっかくだから」の範疇をはるかに超えてスペシャル目白押しで、オーディエンスを楽しませる以上に、YYWのメンバーがこの夜を楽しみ尽くすために趣向が凝らされた最高の夜となった。

 まずはライブ前。LIQUIDROOMのフロアに足を踏み入れると、まだ開演までは時間があるというのに、場内はグッドミュージックに満たされている。その元はステージの脇に設けられたDJブースだ。その主はDJ HASEBE。この公演では、彼が開演前と二部構成ライブの幕間にDJを行うことが事前にアナウンスされていた。さまざまなジャンルをクロスオーバーさせながら心地よいバイブスでフロアの温度を高めていく最高のプレイリスト。観客の多くはすでにアルコールを体に入れ、ライブに向けて準備は万端のようだ。そういえば、バーカウンターにはまだまだ長蛇の列ができていた。燃料を入れなければYYWのライブは始まらない。みんなほろ酔い気分でスタンバイOKである。

 そして19時半、ステージに登場したYYW。バンドメンバー4人とサポートメンバーの高橋遼(Key)を熱烈な歓声と拍手が出迎える。ステージの上には2台の冷蔵庫、中にはもちろんキンキンに冷えたビールが備えられている。後のMCでわかったことだが、そのうちの大きい方の冷蔵庫はここLIQUIDROOMのバックヤードに設置されているものを拝借してきたらしい。1曲目は「君とdrive」。キイチ(Gt)が鳴らす軽快なギターのカッティングと躍るような磯野くん(Vo/Gt)のボーカル。さらに「誰もいないsea」を重ねる頃には、東京のど真ん中に爽快な潮風が吹き渡るようだ。

 小原”Beatsoldier”壮史(Dr)の叩く4つ打ちのビートに手拍子が巻き起こり、スズキシンゴ(Ba)のファンキーなベースラインがオーディエンスを踊らせ、磯野くんの歌う甘酸っぱいメロディがひとり残らずキュンとさせた「いい夢」を終えると、磯野くんの音頭で乾杯を全員で唱和。まだ始まったばかりだけど、ムードは完全に打ち上げである。そしてここでメジャーデビュー2周年の特別な日を祝うべく駆けつけたゲストがステージに招き入れられる。YYWのTシャツを着て登場したのはthe band apartの荒井岳史だ。彼と一緒に披露するのは、もちろんYYWにとって初めてのコラボシングル曲となった「Night Rider feat. 荒井岳史 (the band apart)」だ。シンプルなアレンジの上で磯野くんと荒井、ふたりの声が重なり、なんとも言えない美しさを醸し出す。

 その荒井が歌い終えるやステージから去っていくと、入れ替わりに現れたのは元bonobos・蔡忠浩だ。先ほどの荒井とはまた違ったハーモニーが生まれていく「夜行性 feat. 蔡忠浩 (bonobos)」。音源でもその最高のコラボは印象的だったが、こうして生で聴くと、蔡の歌がいかにダイナミックで豊かなものかがはっきりとわかる。

 「いや、最高ですね」と磯野くんも感無量の様子だが、まだまだライブは序盤。「まだまだ楽しんでいきましょう」と「考え中」に入っていく。フロアの天井に吊るされたミラーボールがキラキラと光を反射してグルーヴをさらに盛り上げていく。そこからメロウなムードを引き継いだ「唄が歩く時」で、先ほどのコラボで高揚した空気を心地よくクールダウンさせる。クールダウンさせる必要があったのは観客というよりメンバーで、演奏が終わるとキイチがすぐさま喋り始める。「あれだったね、ゲストボーカルの盛り上がり方が異常すぎて。本当はすぐに『考え中』に入る予定だったんですけど」。その言葉に磯野くんも「一呼吸置かないと飲まれちゃうと思った」と返したが、実はこの日のコラボはこれで終わりではなかった。「先日、我々新曲をリリースしまして」という磯野くんの言葉に歓声が上がる。その新曲とは「眠らないでよ feat. 原田郁子(クラムボン)」。これを披露するとなればもちろん、ご本人登場である。「お邪魔しま〜す」とゆるくステージに現れた原田だが、いざ歌い始めたら当然空気が変わる。オーディエンスも半ば圧倒されているのがわかる。歌い終えて駆け足で舞台袖に消えていく原田を見届けると、割れんばかりの拍手が鳴り響いた。その余韻を引きずりながら「思い出in the sky」を披露すると、ここで前半に当たる1stセットが終了した。すでに盛りだくさんだが、まだまだ宴は続く。

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