SE SO NEON、リスペクトするAwichと初のコラボステージ 緩急自在なパフォーマンスで熱狂を呼んだ来日公演レポ
アメリカ、カナダ、ドイツ、台湾など10カ国余りでライブツアーを行う韓国発のバンド・SE SO NEONの来日公演が、3月19日に東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにて開催された。本公演は1日で2ステージ開催され、ゲストには韓国・ソウルでのライブにもゲストとして出演したラッパーのAwichが再び迎えられた。今回は14時半開演の第一公演の様子をレポートする。
会場には様々な国籍、世代、性別のファンが集結し、ライブの開始を今か今かと待っていた。開始時間を少し過ぎた頃、メンバーの2人がステージに登場。その途端に韓国語や日本語での大きな歓声が飛び交い、拍手で会場が包まれる。まるでここが海外ではないかと錯覚するほど、観客による積極的な声援で満ちていた。そんなざわめきを一瞬にして静寂に変える、ファン・ソユン(Vo/Gt)の透き通る歌声でライブが幕を開ける。1曲目の「Stranger」では静かに刻み始めるドラムがサビで一気に盛り上がり、打ち込みの音とバンドの生音が融合。その場を幻想的な世界観へと変化させた。「Winter」「Go Back」の演奏後に、ソユンが日本語で挨拶。一際大きな観客のラブコールに、精一杯の日本語で答える姿に多くのファンが胸を掴まれたのではないだろうか。
「We’re in Tokyo!」と嬉しそうに叫ぶ彼らが続けて披露したのが、重みのあるドラムでエネルギッシュに始まる「Dong」とギターベースの掛け合いが心地よい「Gurumi」。ここから次第に激しい曲調へと移り、歪んだギターで切り裂くように始まった「Athena」では、ソユンがまるでギターと一体化しているかのように髪をかき乱しながら飛び回った。盛り上がりをそのままに、ディレイのよく効いたギターと動きの激しいベースが特徴的な「joke!」を披露。Aメロ〈I don’t wanna kill you〉を観客が被せて歌い、ソユンもフロアをさらに挑発的に煽ったり、ステージの前に出てきたりしながら会場をより一層沸かせた。再びMCが挟まれ、会場に向けてパク・ヒョンジン(Ba)が「ソユンに教えてもらいました」と日本語で挨拶。会場が温かい声援に包まれた。
ここでゲストが紹介され、ソユンとヒョンジンの2人で揃って「Awichさ〜ん」と呼ぶ姿はなんともゆるくて愛らしい。拍手と歓声に包まれながらAwichが登場。通訳を介しつつもSE SO NEONの2人とAwichの掛け合いが始まり、ソユンがAwichを好きになったきっかけについて、「2〜3年前に偶然MVを観たんです。ジャンルが違うとはいえ音楽がとても良くて。それだけではなく、彼女の行動もすごく素敵だなと思って、いつか一緒に何かをしたいと思い、1月のソウル公演にゲストとして出ていただきました」と明かした。Awichも「オファーをいただいてからSE SO NEONのことを知ったんですけど、まずMVを観てめっちゃかっこいいって思って。しかも、ライブまでのやり取りにもリスペクトがあって。韓国であの規模でライブさせていただけるなんて本当に光栄だったし、そこに私を呼んで、ライブをフルセットでさせてくれるSE SO NEONの懐の深さに感動しました。そこでSE SO NEONのライブを観てさらに惚れた。好き!」とラブコール。ソユンもそれに対して「好き!」と日本語で答え、その微笑ましい状況に大きな歓声が上がった。
ステージの転換が完了すると、「私の曲をソユンがめっちゃ頑張って練習してくれて! ラップをするのも初めてだし、しかも日本語で難しいし。温かい目で見守ってくれますか?」とAwich。このライブ限りとなるであろうソユンとAwichの2人による「紙飛行機」が披露された。ソユンは2番のヴァースをキックし、フックは2人で合唱。一緒に踊りながら歌う様子には観客も大興奮だった。