B.B.クイーンズ「おどるポンポコリン」でさくらももこが果たしたこと 歌詞に込められた奥深いメッセージ

『みんなが聴いた平成ヒット曲』第11回 B.B.クイーンズ「おどるポンポコリン」

 1986年より少女まんが雑誌『りぼん』(集英社)で連載がスタートし、1990年から現在に至るまでフジテレビ系でアニメが放送されている『ちびまる子ちゃん』。その主題歌としておなじみなのが、1990年4月4日にシングルリリースされたB.B.クイーンズが歌う「おどるポンポコリン」である。

 ただし『ちびまる子ちゃん』の初代オープニング曲は関ゆみ子の「ゆめいっぱい」(1990年)で、「おどるポンポコリン」はエンディング曲だった。以降もテレビアニメのオープニング曲は渡辺満里奈の「うれしい予感」(1995年)、カヒミ・カリィの「ハミングがきこえる」(1996年)などが起用され、「おどるポンポコリン」がオープニングに起用されたのは、ManaKana&泉谷しげるによるカバーバージョン(1998年)の方が先だった。B.B.クイーンズによる本家バージョンがオープニングを飾ったのは実は2000年になってからで、それからは木村カエラ、E-girls、ゴールデンボンバー、ももいろクローバーZなどによるカバーバージョンがオープニング曲として使われている。「『ちびまる子ちゃん』と言えば「おどるポンポコリン」」というイメージがあまりにも強いため、放送当時に番組を観ていた筆者でも「そういえばそうだった」と意外な再認識を得た。

ちびまる子ちゃん初代エンディング「おどるポンポコリン」
E-girls / おどるポンポコリン ~Animation Clip~
ゴールデンボンバー「おどるポンポコリン」LIVE MV
ももクロ【MV】『おどるポンポコリン / Odoru Pompokolin』ANIMATION MUSIC VIDEO / ももいろクローバーZ(MOMOIRO CLOVER Z)

「おどるポンポコリン」誕生のきっかけは、植木等の言葉と「スーダラ節」

 同曲の作詞を担当したのが、『ちびまる子ちゃん』の原作者・さくらももこ。そして詞のもとになったエピソードが描かれているのが、1991年10月発売のコミックス第8巻、アニメでは1991年11月17日放送回の「まる子 みんなにばかにされる」である。

 同回は、まる子が歴史の偉人の伝記に感化されて「偉い人」を目指すというもの。二宮金次郎、マザーテレサなどに影響されたのち、キュリー夫人がラジウムを発見したと知って、とりあえず顕微鏡を使ってなにかを見つけてみようと、自分のフケやおじいちゃんのハナクソを観察。さらにまる子の偉人熱はエスカレートし、エジソンの真似っこをするために時計を分解するが、壊してしまってお母さんに怒られる。

 偉くなるつもりが「ますますバカになっていくよ」と落ち込む、まる子。そんなとき、お父さんがテレビで「そんなこたどうでもいいじゃねえか」とつぶやきながら〈スイスイ スーダララッタ〉と歌う植木等を観て、「いいこと言うなぁ」「命にかかわること以外どーでもいいことばっかりなんだよ」と感心。さらに同曲を作詞した青島幸男についても、お父さんは「いい詩(うた)つくると エライなァ」と口にする。まる子は「ああいう歌つくりたい」と騒ぐが、お母さんは「そんなに手軽にえらくなんてなれないのよ」といさめる。

 そんな同回は「……15年後 その夢をすてずに作った歌が ♫エジソンはえらい人 ピーヒャラピーヒャラ……であった」という言葉とともに、歌が流れているテレビを観る両親が「何考えてんだあいつ」と呆気にとられて締めくくられる。

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