SixTONES 松村北斗、『日本アカデミー賞』受賞作品の好演を振り返る メンバーから賞賛の声も

 今年1月に発表された「第46回 日本アカデミー賞」で、SixTONESの松村北斗が新人俳優賞、そして『オールナイトニッポン』リスナーの投票を元に決まる話題賞の2部門を受賞した。

 新人俳優賞を受賞したのは、2022年4月公開の映画『ホリック xxxHOLiC』で演じた百目鬼静役。話題賞は『ホリック xxxHOLiC』と合わせて2022年11月公開『すずめの戸締まり』で宗像草太の声優を担当したことがそれぞれ評価された。

映画『ホリック xxxHOLiC』本編映像(四月一日&百目鬼編)

 映画『ホリック xxxHOLiC』は、原作はCLAMPの漫画『×××HOLiC』、監督は蜷川実花、主演は神木隆之介と柴咲コウ。松村は神木が演じる四月一日君尋の同級生・百目鬼静という特殊能力を持つクールでミステリアスな役を演じた。

 映画公開前に松村は「蜷川ワールドに飲み込まれたような感覚」と撮影時の心境を語っていたが、鑑賞した人はまた違った印象を受けたのではないだろうか。まず百目鬼が登場のシーンでは、普段よりも低めにした雄々しい発声にハッとさせられ、個性的なキャスト陣に加え、蜷川監督ならではの艶やかな衣装やセット、オリジナリティ溢れるミステリアスな世界観において、その色彩や勢いに負けることのなく、独特な世界観に溶け込みつつも埋もれることのない尖った存在感を放っていた。学生服や和装をスマートに着こなすのは相変わらず。

 2021年は『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)では雉真稔という好青年を演じたが、同じ学生服でも作風によってがらりと印象が変わる。古風なスタイルでも、百目鬼役ではどこか垢抜けた雰囲気が漂うのは松村らしい。これまでの出演作では、比較的クールな役を演じることが多かったが、一貫して姿勢の美しさがあり、演じる役の人生背景を含んだ演技を見せる。

『すずめの戸締まり』予告

 『すずめの戸締まり』で演じた宗像草太役では、ドラマや映画ともまた異なる声を聴かせてくれた。現在も上映中の作品であるため詳細は控えるが、巨大な出来事を前に、アニメーションならではのスピード感かつダイナミックな動きに合わせて声色を変える。臨場感に溢れる演技だった。

 声の表現といえば、SixTONESが3年連続でパーソナリティを務めた『ラジオ・チャリティ・ミュージックソン』(ニッポン放送)での朗読も印象的だ。2022年に挑戦した『ハートフルストーリー』の生朗読で、松村はフラットに保ちつつ、時に声を弾ませたり、ポイントとなるワードに重きを置いたり、人物の心情を汲みながら読み進めた。登場人物のセリフも、語尾をあえて伸ばして説得力を持たせたり、語尾に促音を挟んで弾ませたり。主人公が夢を見つけたシーンでは耳に残るワードを放ち、わずかに間を空けて余韻とインパクトを残す。最後は希望に満ちた声色と共に朗読を終えた。生放送で行われた抑揚の微調整は、温もりを感じるものであった。

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