LE SSERAFIM、IVE、NewJeans、XG……これからの時代をつくるガールズグループ4組を徹底紹介

 昨今、K-POPをはじめとしたガールズグループの勢いが増し、日本国内はもちろんのこと、世界でも注目を集めている。The New York Timesでは1月26日、ポッドキャストで『Blackpink, Aespa, NewJeans: The Evolution of K-Pop Girl Groups』と題したシーン分析の番組が配信されるなど(※1)、今やアジア発のガールズグループはひとつのカテゴリーとして、世界中の多くの人に影響と関心を与える存在となっている。

 そこで今回、世界の音楽シーンを見据えながら、これからの時代をつくるであろうガールズグループを4組紹介したい。

グループのストーリー性が共感を集めるLE SSERAFIM

 2023年1月に日本デビューを果たし、日本国内でも女性を中心に多くのファンを獲得しているLE SSERAFIM。

LE SSERAFIM (르세라핌) 'FEARLESS -Japanese ver.-' OFFICIAL M/V

 グループ名は、「I’m Fearless(私は恐れない)」のつづりを並び替えるアナグラムをもとに考案されたもの。そんな彼女たちの魅力と特徴は、グループとしてのストーリー性にあると言えるだろう。いちアーティストとしてスキルとキャリアを着実に積み重ねてきたSAKURA(宮脇咲良/サクラ)とKIM CHAEWON(キム・チェウォン)。バレエの世界からK-POPの舞台に挑んだKAZUHA(カズハ)。圧倒的な歌唱力を持ちながらも、何度も夢に破れ、ようやくチャンスを掴んだHUH YUNJIN(ホ・ユンジン)。デビューを目指し、スクールでダンスの実力を磨いてきたHONG EUNCHAE(ホン・ウンチェ)。その個性とキャリアが融合することで、楽曲の歌詞にストーリーとパワーが生まれ、大きな共感が生まれているように思う。

HUH YUNJIN - 'I ≠ DOLL'

 また、彼女たちが持つ楽曲制作力にも注目したいところ。YUNJINは豊かな音楽センスで、オリジナル曲をすでに2曲も発表。SAKURAやCHAEWONも作詞に参加するなど、彼女たちは楽曲制作にも精力的に挑戦し続けている。イギリスの音楽サイト・NMEは「2023年注目の新人アーティスト」としてLE SSERAFIMを挙げ、「新人ながらすでに印象的な曲を共同作曲している。LE SSERAFIMは間違いなく侮れない存在」と彼女たちのポテンシャルを高く評価している(※2)。今後のシーンをつくる重要な存在になっていくのではないだろうか。

「Love Myself」のコンセプトでファン層を拡大するIVE

 2021年12月にデビューしてからというもの、韓国の各種音楽チャートを席巻し、日本国内でも高い人気を誇っているIVE。その人気は世界でも広がりを見せており、2022年8月3日にリリースした3rdシングルのタイトル曲「After LIKE」は、米ビルボードの2月4日付チャートで23週連続ランクインを果たすなど、今もなお記録を生み出し続けている。

IVE 아이브 'After LIKE' MV

 彼女たちのコンセプトは、「私、そして私たちが持っているものを、IVEらしく堂々とした姿で見せる」というもの。「女性が憧れる魅力」を描くという意味ではガールクラッシュそのものだが、IVEはそこに「Love Myself(自分を愛する)」という要素を追加した点で、ほかのグループとは異なる魅力を放つ。彼女たちは「自分を愛し、自信を持っている少女が誰かを愛していく姿」を楽曲の中で巧みに描く。実際、メンバーのGAEUL(ガウル)もインタビューの中で「私たちの音楽、そして全体的なスタイルは、自信と大胆さを強調しています。(中略)IVEの究極の強みは、人々にポジティブな影響を与えることです」と語っている(※3)。楽曲が持つメッセージと、楽曲を通じて放たれる各メンバーの自信に満ちた可愛らしく美しい魅力は、韓国の1981~2010年生まれの若者たちを示すMZ世代を中心に広がる「自分らしくありたい」という価値観とマッチしているからこそ、日韓をはじめ世界でファン層を拡大しているのだろう。

IVE 아이브 'ELEVEN' MV

 また、キャッチーなメロディラインとサウンドが印象的な楽曲には、WONYOUNG(ウォニョン)やREI(レイ)、GAEULの意見やセンスも取り入れられている。そのセンスの良さは、YUJIN(ユジン)が「流行に関心を持ち、誰よりも早く流行を掴む。かといって、流行を追いすぎない。そのバランスを大切にしています」(※4)と語っているように、トレンドと自分たちらしさの絶妙なバランス感覚があってこそのもの。今後、IVEはそのコンセプトとスキル、センスを生かしながら、K-POPシーンの新たな顔となっていくだろう。

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