つばきファクトリー「アドレナリン・ダメ」が首位獲得、強力なトップ3が揃い踏み 2022年度ハロプロ楽曲大賞を振り返る

ハロプロ楽曲カバー部門

モーニング娘。'22『I WISH』Promotion Edit

 2022年の特徴は、『ONE PLUS ONE』『COVERS -One on One-』といったハロプロメンバーによる過去ハロプロ楽曲カバー企画が複数あり、それらがソフト化されてリリースされたことだ。これらをノミネートすると69曲におよび、そのまま楽曲部門に含めるよりは別部門で独立させたほうがいいと判断して、今回より新設したのがハロプロ楽曲カバー部門である。

 1位になったのは、モーニング娘。'22「I WISH」。2000年リリースのシングル曲を現在のモーニング娘。'22がセルフカバーして、テレビドラマ『真夜中にハロー!』のエンディング主題歌のタイアップ付きで配信シングルとしてリリースされた。

 2・3・4位には、佐藤優樹(モーニング娘。'21)「笑顔の君は太陽さ」、稲場愛香(Juice=Juice)「もしも…」、森戸知沙希(モーニング娘。'22)「みかん」と、各メンバーがグループを卒業する際にラストコンサートで歌って配信リリースされた楽曲が綺麗に並んだ。

ONE PLUS ONE川嶋美楓×田中れいな「大きい瞳」
COVERS -One on One- サマーナイトタウン / 田中れいな x 佐藤優樹

 企画『ONE PLUS ONE』内での最高位は、川嶋美楓×田中れいな「大きい瞳」の5位。『COVERS -One on One-』内での最高位は田中れいな×佐藤優樹「サマーナイトタウン」の7位。これらを含むこの部門での結果は、四半世紀におよぶハロプロの歴史の厚さを感じさせる。

MV部門

Juice=Juice『イニミニマニモ~恋のライバル宣言~』Promotion Edit

 「好きな楽曲」ではなく「好きなMV」に投票するのがMV部門。楽曲の良さというよりは映像としての良さが問われる部門となる。

 今回の1位は、BEYOOOOONDS「英雄 ~笑って!ショパン先輩~」。楽曲部門の2位と同じく、高い順位となった。

 他には2位がアンジュルム「愛すべきべき Human Life」、4位がつばきファクトリー「アドレナリン・ダメ」と、楽曲部門で高順位だった曲はMV部門でも高順位になる傾向はあるのだが、そんな中、楽曲部門で比較的低い順位だったのにもかかわらずMV部門で高い順位をマークしたのは、BEYOOOOONDS「ハムカツ黙示録」の7位(楽曲部門では20位)、Juice=Juice「イニミニマニモ~恋のライバル宣言~」の11位(楽曲部門では43位)あたりだろうか。前者はBEYOOOOONDSらしいファニーでコミカルな内容、後者はMV冒頭の有澤と入江里咲の可愛らしい口喧嘩シーンが支持を集めたようだ。

推しメン部門

 楽曲大賞の参加者による一推しメンバーを集計した推しメン部門。これがそのまま実人気ランキングに重なるとはいえないが、ひとつの指標ではある。

 これまで7年連続1位だったのは佐藤優樹(モーニング娘。)だが、2021年にグループを卒業したこともあり、今回は2位に後退。代わりに1位となったのが、加賀楓(モーニング娘。)だ。今後は加賀が当分1位の座を守るのかと予想されたが、彼女も2022年にグループを卒業。次回以降の首位争いの予想が難しくなった。

 前回から新しくトップ10入りしたメンバー3名は、上國料萌衣(アンジュルム)の4位、橋迫鈴(アンジュルム)の7位、平井美葉(BEYOOOOONDS)の9位タイ。上國料は少し違うかもしれないが、どちらかといえば3人とも女性ファンの比率が高そうなメンバーで、ハロプロファン全体の男女比が女性に傾いているという昨今の傾向が反映された結果となった。

YouTube部門

セクシーキャットの演説/モーニング娘。’16

 ハロプロおよびアップフロントアイドルたちが2022年度に公開したYouTube動画をノミネートリストという形でまとめたところ、実に939個の動画が記録された。

 第1位に輝いたのは、「【踊ってみた】怪物 / YOASOBI 踊ってみた【ハロプロダンス学園】振付/DA PUMP KENZO」。番組『ハロプロダンス学園』(ダンスチャンネル)の出演メンバーが、YOASOBIの楽曲「怪物」をKENZO(DA PUMP)が新たに考案した振り付けでダンスしているという内容で、2022年5月27日の公開後、各方面で話題を集めた。

 本部門でも2位以下との得票数の差が圧倒的で文句なしの1位だったのだが、期間限定公開の動画だったので、2022年12月24日の公開終了後、現在では見ることができないのが残念だ。

アンジュルム『桃鉄』3年決戦対決! 竹内軍団vs橋迫軍団【ハロ通GAMES】

 他には2位・4位・9位に、加賀考案のオリジナル振付をモーニング娘。メンバーがダンスする動画3種類がそれぞれランクイン。3位にはゲーム雑誌『ファミ通』(KADOKAWA Game Linkage)とのコラボによる、アンジュルムのメンバー4人が『桃太郎電鉄』で遊ぶ動画がランクインした。

 以上、2022年度のハロプロ楽曲大賞の結果を振り返ってきた。今回の楽曲部門は、1位こそつばきファクトリーの「アドレナリン・ダメ」になったが、他のBEYOOOOONDS「英雄~笑って!ショパン先輩~」、アンジュルム「愛すべきべき Human Life」の2曲いずれも、もし1位になったとしても違和感のない、強力なトップ3がそろったのではないだろうか。

 加賀の在籍時ラストシングルであるモーニング娘。'22『Swing Swing Paradise/Happy birthday to Me!』は2022年12月リリースなので、次回のノミネートとなる。その他にもどんな魅力的な楽曲が今後リリースされていくか、期待は尽きない。

 それでは今年末の『第22回ハロプロ楽曲大賞'23』にて、皆さんの投票をお待ちしています。

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