GACKT、なぜ『格付けチェック』に欠かせない存在となった? バラエティ番組を巧みに渡り歩く“芸能人”としての生き方

圧倒的強者感が番組の性質にぴったりと合った

 『格付けチェック』でもGACKTは、「自分が真剣にやればやるほど番組がおもしろくなる」と役割をしっかり考えて取り組んでいるように思える。

 書籍『GACKTの勝ち方』(2019年/サンクチュアリ出版)では、『格付けチェック』について「ボクはGACKTだ。最後まで自分の手札は見せない。圧倒的な努力をした上で、ブラフか実力か。そうやってボクは最後まで勝ち続ける」「胸の中はいつも爆発しそうなほどバクバクしている。心臓に悪い。たかだかテレビ番組だろと言われるかもしれない。それが間違ってる。どんなときでもこの緊張感を感じられることが大事。緊張感のない者に勝利などない」とバラエティ番組であっても勝利にこだわっていると明かしていた。真剣さが伝わってくるからこそ、一流芸能人以下に成り下がっていく共演者たちとの落差が余計におもしろくなり、視聴者も目が離せなくなるのだ。

 「自分の手札は見せない」というところもポイントだろう。たしかにGACKTは、どれだけバラエティに出演してもそのパブリックイメージは驚くほど長年変わっていない。『GACKTの勝ち方』では、自分自身を消費させないために「テレビの人にはならない。テレビは年間5本しか出ないと決めている」「希少価値をつくる、飽きさせない。焦らす、待たせる、期待させる」とこだわりについて書いている。YouTubeチャンネルへの露出は多々あるものの、基本的にはメディアに出すぎないことで「GACKT」のイメージを崩さないようにしている。

 GACKTはずっと「パーフェクトキャラ」「完璧主義キャラ」である。人間誰もが持ち合わせている弱さは決して表には見せない。そうやって生まれた「何者にも屈することのない圧倒的強者感」が、出演者のランクや勝敗がはっきり決まる『格付けチェック』の性質にぴったりと合い、番組の象徴と化した。

 極論だが、『格付けチェック』はGACKTのための番組と言っても良い。更新不可能なほどの連勝記録は、GACKTが長年にわたって「GACKT像」を作りあげてきた賜物なのではないか。

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