連載「lit!」第31回:JO1、Da-iCE、超特急……それぞれが個性を伸ばして輝いた、2022年のボーイズグループシーン
同じEBiDANに属する、原因は自分にある。は、〈まだ、生きたい(シネナイ)〉という歌詞から、「この先も成長を続けていく」というグループの決意表明のようなものが読み取れる楽曲「原因は君にもある。」を7月7日にリリース。2019年リリースの1stシングル「原因は自分にある。」同様、ピアノが効果的な楽曲であるが、2曲を比較するとグループとしての表現力が大きく変化しているように感じる。グループとしては、メンバーの杢代和人が『仮面ライダーギーツ』(テレビ朝日系)で吾妻道長/仮面ライダーバッファ役として出演するにあたり、撮了までグループ活動をセーブすることを発表。ファンにとっては少々寂しいお知らせであったが、メンバーたちの前向きなコメントを考えると次のステージに進むために必要なステップなのだろう。再び7人揃ってパフォーマンスする際にはパワーアップした姿が見られることを予感させてくれる。
そして2022年はボーイズグループシーンに新しく登場し、旋風を巻き起こしたグループも少なくない。そのうちの1組がTHE SUPER FRUITだ。つばさレコーズ発のつばさ男子プロダクション設立とともに結成されたTHE SUPER FRUITは8月31日に「チグハグ」でCDデビューし、TikTokを中心に楽曲が一気に拡散された。特にTikTokでは自虐的なエピソードを語った後「それでは聴いてください、チグハグ」と言ってダンスをする動画が数多く投稿されている。TikTokでは〈チチチチチチ チグハグ〉という冒頭のフレーズがバズっているが、曲全体では人それぞれの違いを認めることの大切さを歌っている。やわらかいグループイメージと、時代に即した歌詞が多くの人に共感を与えたのだろう。結果、「それでは聴いてください、チグハグ」というフレーズが『TikTok流行語大賞2022』、「チグハグ」は『2022年インスタ流行語大賞』を受賞。新人ボーイズグループとして、華々しいスタートダッシュを決めた。
もう1組、忘れてはいけないのが8LOOMだろう。彼らは10月期ドラマ『君の花になる』(TBS系)の劇中に登場するボーイズグループで、劇中だけでなく実際に9月21日にデビューをして活動をしている。『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)に出演したり、『Rakuten GirlsAward 2022 AUTUMN/WINTER』や『KCON 2022 JAPAN』のステージに立ち、ファンの前でパフォーマンスを行ってきた。楽曲の人気も高く、とりわけ3rdシングル「Melody」はBillboard Japanの「Heatseekers Songs」で初の首位、「LINE MUSIC ソングTop100 デイリーランキング」1位を獲得した。佐神弾(高橋文哉)の恋心を綴った同曲は抜け感のある歌声が楽曲にどこか儚い印象を与える。YouTubeで公開されている通常のMVだけでなく13分に渡る耐久ロングVer.も100万再生を突破しており、聴き心地の良いトラックとメンバーの歌声は多くの人の心を掴んでいる。2022年末で惜しまれつつも解散となってしまうが、まだ活動を観たいと願うファンも多いのではないだろうか。
多種多様な動きがあった2022年のボーイズグループシーン。2023年はどのグループが話題を作っていくのだろうか。そして、まだ見ぬ新しいグループの活躍にも期待が膨らむ。だからこそ、もう一度2022年に話題となったボーイズグループの楽曲を聴き返して2023年に備えてみるのはいかがだろうか。
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