町田ちま×戌亥とこ×朝日南アカネの仲が深まった瞬間は? Nornis結成から本当の意味でユニットになるまでの過程

 人気VTuber事務所にじさんじの中でも歌唱力に定評がある町田ちま、戌亥とこ、朝日南アカネの3人が集まって結成されたユニット・Nornis。彼女たちがJ-POP界屈指のヒットメイカー、亀田誠治をプロデューサーに迎えた楽曲「Transparent Blue」をタイトルにしたEPを12月28日にリリースした。

 リアルサウンドでは亀田誠治とメンバーの対談(※1)に続いて、この記事では3人に、それぞれの音楽的なルーツやユニット結成からの変化などをインタビュー。ユニット結成の打診を受けて集められたメンバーが、徐々にお互いのことを知り、本当の意味でユニットになっていく過程について聞いた。(杉山仁)【最終ページに読者プレゼントあり】(※TOP写真=左から戌亥とこ、町田ちま、朝日南アカネ)

(歌に)自分がすごく救われたことが大きかった(朝日南)

Nornis - Transparent Blue

ーーまずはみなさんが音楽活動をしようと思ったきっかけを教えてもらえますか?

町田ちま(以下、町田):歌うことがずっと好きだったので、町田の歌を「色んな人に聴いてほしいな」と思ってはじめました。にじさんじのオーディションのときも、歌の音源を映像に入れて応募しましたね。

戌亥とこ(以下、戌亥):「歌をメインに活動していこう」と最初から思ってはいなくて。歌うことが好きだったのもありますけど、得意なものを考えた時に歌以外に思いつかなかったんです。わたしはゲームも得意じゃないので、できることをやっていたら、「歌上手いね!」と褒めてもらって聴いてもらえる機会が増えたり、お仕事をいただけたりすることが増えたというか。褒められて伸びるタイプなので、今後も褒めていただきたいです(笑)。

朝日南アカネ(以下、朝日南):私の場合、色んなことが重なっているんですけど、一番は一時、目の病気を患っちゃって、何かをすることが難しくなった時期があったんです。でも、歌は目が見えなくてもできるじゃないですか。なので、その時期に歌を練習したりして、自分がすごく救われたことが大きかったと思います。

ーーメンバーのそれぞれの歌への向き合い方で印象的なこともあれば教えてください。

戌亥:共通してみんなすごく歌うことが好き。歌うのが楽しいんだろうな、好きなんだろうなっていうのが一番大きいですね。それゆえに、他のことよりも一段突き詰めて考えられるというか。

朝日南:たとえばレコーディングでスタッフの方々が「そのテイクいいですね」とOKを出してくださっても、「もうちょっと物足りないな」「もっとできるかも」と感じたところがあれば、「いや、もう一回やらせてください」というふうに突き詰めてやっているのは、よく見るシーンです。そういう部分は、「本当に音楽が好きなんだな」って私も共通して感じる部分です。

ーーそれはいいお話ですね。

町田:Nornisのメンバーは、OKが出ても「もう一回お願いします!」って言うことが多いんですよ。周りの方々はいいって言ってくれてもこっちは納得してないからなぁって(笑)。

戌亥:それでスタッフさんが「うーん……」っていう(笑)。多分、そこから「記念」っていう概念が生まれたんですよね。OKテイクはもう出たけど、「それはそれとして、記念にあと何回か録りませんか?」みたいな。わたしたちとしては、その中でよりいいものが出たらいいな、ということなんですけど。

ーー自ら延長戦をつくり出しているんですね。「もうちょっとこうした方が良くなるんじゃないか」など、メンバー同士で話し合うこともありますか? 

戌亥:その辺りは、タイミングがなかなかないんです。収録は基本的にリレー方式なので、誰か終わると誰かが入ってという感じで、3人揃って話をするタイミングがあまりなくて。唯一、アカネちゃんはすごい質問してくれるんですけど、わたしとまちま(町田)がまともに答えないという。

朝日南:そう、私、お2人に聞きたいことがすごくあるんですけど、なかなか消化できないんですよ。直近では、ちま先輩に「楽々と出している雰囲気の、突き抜けるような高音ってどんなふうに出してるんですか?」「今ちょっとやってみてもらえますか?」と聞いたりしました。それに、とこ先輩にも「裏声でも地声でもないミドルボイスは、どうやったら出せますか?」と聞いていて。でも、2人にはちゃんとした答えをもらっていないんですよ。

戌亥:わたしは答えたよ?!

朝日南:いや、答えが「目を閉じる」はちょっと(笑)。

町田:町田も「勢い」って答えた気がする。

ーーどちらの答えも再現性がなさすぎますね……。

戌亥:(笑)。レコーディングの帰り道に3人で歩いている本当にちょっとの時間で聞いてくれたんですけど、我々がこんな感じなもんで、結局何も解決せずに帰ってしまったという。

朝日南:欲張りですけど、「もっと具体的な話を…!(笑)」という感じでした。

ーー逆に朝日南さんはどんなタイプですか?

戌亥:3人の中で一番理論派っぽいよね。

町田:うん。事前に歌詞の意味を考えたり、「こういう設定だから」と考えたりしていると思っているんですよね。だからこそ、できる歌詞の表現もすごく尊敬しています。Nornisの曲だったら、たとえば「Through The Glass」では妖艶な雰囲気で、かっこいいけど大人の女性的な魅力を出していたり、ラスサビでささやき声で歌ってくれたりするのが最高です。Nornisの曲って、歌詞が難しい曲も多いと思うんですけど、アカネちゃんは収録のときも、作曲者さんに「この曲はどういう曲だと思う?」と聞かれてすぐに答えていて、「すごいなぁ」と思います。

朝日南:周りの方々がどれくらい読み込んでいるのか自分には分からないので何とも言えないですけど、気持ちとしてはしっかり考えて歌いたいな、と思っています。

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