Deep Sea Diving Club、macicoとTHREE1989迎えた3マン リラックスしたバイブスに満ちた『SEA SIDE PARTY vol.1』

 福岡を拠点に活動する「TENJIN NEO CITY POP」バンド・Deep Sea Diving Club。昨年あたりからその名前をじわじわと全国に広め、今年は初のフルアルバムをリリース、その後も土岐麻子をフィーチャーした配信シングル「Left Alone feat. 土岐麻子」を発表するなど話題を提供し続けている4人組だ。そのDeep Sea Diving Clubが地元福岡と東京で主催イベント『SEA SIDE PARTY vol.1』を開催した。12月7日、新曲リリース日の開催となった東京公演はmacico、THREE1989との3マン。会場となった新代田FEVERには最初から最後までリラックスしたバイブスと気持ちいいグルーヴが満ち溢れた。

 トップバッターとしてステージに立ったのはmacico。洒脱でアーバンなポップソングを鳴らす東京のバンドだ。彼らにとって年内最後だというこの日のライブだが、残念ながらこの日はメンバーのひとりyukinoが体調不良により欠席。サポートメンバーも含め男だけでのステージになり、フロントマンの小林斗夢は「むさ苦しい」と苦笑いしていたが、クールなポップネスの中にも熱さが潜むようなパフォーマンスはしっかりとオーディエンスにも刺さっていた。今回初見だったので、次はしっかりフルメンバーでのライブを観たいと思う。

 そして2番手はTHREE1989。1989年生まれの3人によるバンドで、バンド名は「スリー」と読む。DJのDatchがまず登場してターンテーブルを操りながら「Welcome to SEA SIDE PARTY!」とフロアを煽ると、そこからはさすが経験値豊富なバンド。美しい歌声を響かせるShohei(Vo)を中心にリズムもサウンドも多彩な楽曲で盛り上げた。ラストにはちょうどこの日リリースされたTHREE1989初の映画主題歌「待ち逢わせ」を披露。その前にShoheiが語った思いも含めて、パーティバンドというだけではない彼らの魅力ははっきりと伝わったのではないか。

 そしていよいよこの日のトリにして主役、Deep Sea Diving Clubの登場だ。谷 颯太(Gt/Vo)、出原昌平(Dr/Cho)、鳥飼悟志(Ba/Cho)、大井隆寛(Gt/Cho)にサポートメンバーの中野ひより(Key)を加えた5人がステージに登場し1曲目「lostpeople」を演奏し始めると、フロアからは手拍子が起きる。まず驚かされたのは谷のボーカルの迫力。音源を聴いてもパワフルだなと思っていたが、ライブで観ると音源以上に力感があって強い。透き通るようなハイトーンからこぶしの効いた低音まで、表現も多彩だ。2曲目に「Left Alone」を披露すると、ミラーボールが回る中「Just Dance」へ。緩急をつけながら歌を支えるドラム、軽やかなカッティングからドープなリフまでを駆使して楽曲に色をつけていくギター、そして笑顔で心から楽しそうに弾いているが出てくる音はめちゃくちゃ太いベース。谷の歌が真ん中にあることは間違いないが、楽器隊の音とせめぎ合う感じもしておもしろい。

Deep Sea Diving Club

 「福岡より東京のほうが暑い」と厚着をしてきたことを後悔しつつ対バン相手の2組に感謝を告げる谷。THREE1989は福岡で対バンしたことがあるが、macicoはこの日が初対面だそう。ストリーミングサービスの関連アーティストでよくDeep Sea Diving Clubと紐づいて出てくることから気になっていたのだそうだ。そして念願だったという7インチアナログ盤『Left Alone feat.土岐麻子 / フーリッシュサマー』がリリースされることを嬉しそうに報告する。そんな無邪気なMCから大人っぽいグルーヴが広がる「FLACTAL」に突入していくのだから、なんというか、底が知れない。続いてはソウルフルな「フラッシュバック’82」。Rin音をフィーチャーし、Deep Sea Diving Clubの名前を一躍知らしめた1曲だ。リズムを心地よさそうに乗りこなしながら言葉とメロディを紡ぐ谷。個人的に強烈に印象に残ったのが、印象的なシンセリフが曲を引っ張るR&Bチューン「cinematiclove」だ。ゆったりとした横ノリのリズムが歌にちょうどいい余白を与えていて、うっとりするほど気持ちいい。アッパーな曲もメロウな曲もやるバンドで、もちろんポップチューンもいいのだが、なんとなく谷の声と歌にはダウンテンポのほうがハマる感じがする。

 ひよりのピアノに合わせてメンバー紹介をすると(ギターの大井はライブ前に新代田名物、「BASSANOVA」のカレーラーメンを食べたらしい)、いよいよライブはラストに向かって駆け抜けていく。12月のFEVERに夏を連れてきた「フーリッシュサマー」ではフロアでオーディエンスの手が揺れる。そして、英語の歌詞に込めた前向きな思いを丁寧に説明すると、本編ラスト「T.G.I.F.」へ。心が弾むようなファンクネスが、直前の谷の言葉を証明するかのように鳴り響く。フロアの一体感もピークを迎え、全員で最高のフィナーレを迎えたのだった。

関連記事