M!LK、変幻自在な5人が手にした新しい武器 さらなるステップアップを確信できた秋のツアーも振り返る

 5人組ダンスボーカルグループのM!LKが、ニューシングル『STARS』を完成させた。昨年のメジャーデビュー曲「Ribbon」、そしてドラマ『僕の大好きな妻!』(フジテレビ系)のオープニングテーマにもなった「奇跡が空に恋を響かせた」では愛おしく想う“君”と向き合いナイトのように手を差し伸べる主人公がいたが、今作では、“君”への想いよ届けと願いを込めながら、ひとり夜空を見つめるというシチュエーションが描かれている。シングルの表題曲としては初めてのバラードに挑戦。これまでよりも少し大人のムードがあり、切なくもあたたかいウィンターラブソングに仕上がった今作に、5人はどう向き合ったのか。楽曲についてはもちろん、リリースの第一報を発表した秋のツアーを振り返りながら、より大きなステージを目指し邁進しているM!LKの今をざっくばらんに語ってもらった。(山田邦子)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

「可愛い曲もかっこいい曲も、飽きない曲が揃っているグループ」(塩﨑)

ーー『M!LK HALL TOUR 2022 満月の夜 君と逢う』ツアー初日、東京国際フォーラム公演で発表した新曲「STARS」がいよいよリリースされます。改めて、あのツアーを振り返っていかがですか。

吉田仁人(以下、吉田):2月のワンマン『NEXT WINNER』、そして『CIRCUS』、『満月の夜 君と逢う』と2本のツアーをやってきましたが、内容的なことはもちろん、1年を通してすごくステップアップできたなと感じられました。オープニングで使ったフライングも、実際にやってみて、もっと大きなステージでやった時により輝けるんだろうなとわかりやすく見えたというか。アリーナという僕らの次なる目標に近づいたのかなっていうのはやってみてすごく思いましたね。

ーー前回の『CIRCUS』もそうでしたが、コンセプトに沿った楽曲でセットリストを組んで演出できるのも、それだけいろんな曲を歌ってきたということかなと思います。

塩﨑太智(以下、塩﨑):確かにM!LKは曲が偏ってないから、ずっとかっこいい曲っていうわけでもないし、ずっとにぎやかな曲っていうわけでもないんですよね。王道のグループとして可愛い曲もかっこいい曲も色々やってるから、セットリストを組む時は本当に飽きない曲が揃っているグループだなって思う。演出も、それを踏まえて演出家の方と一緒に作っていってるんですよね。

佐野勇斗

ーー衣装などもどんどん充実してきていると思いますが、山中さんはどんな手応えが残りましたか?

山中柔太朗(以下、山中):もっと大きな会場でやりたいな、やれそうだなと感じたのが一番大きな収穫でしたね。衣装に関しても手応えはありましたから、次はどういうものにしようかなってアイデアが湧いてくることが幸せなことですし、ファンの方に「良かったよ」って言ってもらえるのもすごく嬉しい。やりがいがあるなと感じています。とても楽しいツアーでしたけど、ただ楽しいだけじゃなく、自分たちの中の課題も見つけることができたので充実していました。

ーー佐野さんと曽野さんはいかがですか?

佐野勇斗(以下、佐野):今回のツアーというか、正直ここ数年ずっとなんですが、ドームツアーも見据えているんですね。僕の中ではドームとか大きいところでは“飛べる”っていうのが演出の醍醐味としてあるなと思っているんですが、今回のツアー初日に初のフライングをやってみて、ちょっとその景色が見えたというか。セットもこれまでで一番大きい規模でしたので、ライブをやりながら、アリーナとかドームが想像できる瞬間が何度かありました。

曽野舜太(以下、曽野):それこそ2022年はアリーナが見える年にしようって言っていて、来年は実際にアリーナをやることを目標に頑張っていこうという話をしてきたんです。その目標に向かって、メンバー一人ひとりいろんなことを頑張りながら、一緒の方向を向いていけたツアーだったんじゃないかなと思いますね。

吉田仁

ーー『STARS』初回限定盤B付属のBlu-rayでは、そのツアーのライブ映像や密着映像も見ることができます。見どころはどういうところですか?

吉田:「最愛」と「シアワシェイク」はライブ初披露だったので、そのパフォーマンスはぜひ見ていただきたいです。特に「シアワシェイク」は、曲を聴いていただいた段階から好感触というか。今までのM!LKらしさもありつつ、ちょっと可愛い感じも含めてかっこよくて楽しい曲みたいな。今後大きな会場でやればやるほど楽しくなっていくし、育っていく曲だなと思っているので、今のうちにぜひたくさんこの映像を見て無意識に脳内で流せるくらい(笑)、聴き込んで楽しんでほしいなと思います。

ーー今回の新曲「STARS」のリリースもツアー初日に発表されていましたが、あの時点ですでに楽曲は完成していたんですか?

佐野:初日の国際フォーラムの時は、まだタイトルしか知らされていない状態でした。その後に曲をもらって、ツアー中にレコーディングをしました。

山中柔太朗

「歌い方ではそれぞれの個性を活かしている」(山中)

ーーそれでは「STARS」の第一印象などを聞かせてください。

吉田:M!LKの曲ではなかなかなかったジャンルの曲だなって思いました。みんなで一緒に盛り上がろうとか、弾ける恋心とかじゃなくて、穏やかですごく優しい気持ちになれる曲だなって。レコーディングの時も、そういう気持ちを音と言葉に乗せることを意識しました。

山中:僕は歌詞よりもまず音が自分の中に入ってくるので、壮大だなという印象がありましたし、大きいところで歌いたい曲だなって。歌詞では「願う」ということが歌われていますけど、僕らの曲としては意外と珍しいのかなとも思っていて。ラブソングですけど、ちょっと俯瞰で見ながら願っているみたいなところは、大人になった僕らにしか歌えない、今だからこそ歌える曲でもあるのかなと思いました。

M!LK - STARS (Official Music Video)

曽野:僕は歌詞に注目しました。タイトルは「STARS」なんですが、歌詞の最後では〈Under the starless sky〉、つまり“星ひとつない空の下”って歌ってる。「STARS」なのに星がないの? っていうのが第一印象でした。でもそれってどういうことなんだろうって考えていくと、もしかしたら歌っている僕ら自身がスターなのかなとか、「STARS」って複数形になっているから5人でスターなのかなとか。いや、み!るきーず(ファンの総称)も含めて6人っていう意味なのかな、とか色々想像ができて。レコーディングの時も、そういう歌詞の意味を考えながら歌いましたね。

塩﨑:最初に聴いた時は宇宙の、星がたくさんあるようなすごく広いところで歌っている感覚があったので、そういうイメージを持ちながらレコーディングに挑みました。シングルの表題曲としてバラードを出すというのは初めてですし、冬をテーマにしたラブソングということで、キラキラはしているんだけど大人っぽい僕らを見せられるというのは、また新しいチャレンジだなって思いましたね。

ーー曲の後半で佐野さんが〈君が好きなんだ〉と歌い上げるパートもありますが、大きな会場ではより映えるだろうなと思いました。

佐野:そうですね。レコーディングの時も、大きな会場を想像しながら歌ってました。

ーーかなり表現力やボーカル力が求められる曲でもあると思いますが、その点についてはいかがですか?

山中:歌い方や表現の仕方などに関しては、結構それぞれの個性を活かす方針なんですね。でもレコーディング音源を聴いた後は、お互いに言い合ったりしますよ。「あの歌い方、初めてだね」とか「今回はそっち系の声なんだ」とか。声質って、曲によっても違ったりするから。あと、自分たちで言うのもなんですが「ちょっと上手くなったね」みたいな話をしたり。

曽野:僕は考え方が逆で、今までだったら歌えなかったような曲を「これが次の曲です」って渡してもらえたってことは、自分たちのレベルも上がってきて信用されているというか。今のM!LKならこれくらいいけるんじゃないかって思ってもらえてるということだと思うから、嬉しかったですよね。直接的な話はしてないですが、そういうメッセージなのかなって受け取りました。

ーー最近は5人の声の個性やキャラクターそのものがより伝わるような楽曲が増えてきていると思いますし、歌割りにもそういうところが活かされている印象です。

山中:そうですね。たぶんエディットの仕方も、それぞれの声が立つようにやってもらえているんだろうなというのは自分たちでも感じています。ボーカルがちゃんと前に出ている印象はすごくありますよね。

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