MAN WITH A MISSION、連作アルバムツアーで伝えたエンターテインメントの必要性 シンガロングも響いた有明アリーナ公演

 そんな様子を感じ取ったのか、本編ラスト1曲を控えたところでJean-Ken Johnnyは「全員手ヲ挙げテ、握ッテクダサイ」と語りかける。「今皆ガ掴ンデイルノガ、3年間守ッテクレタライブノ空気ッテヤツデス。絶対ニ離サナイデクダサイ」日常からエンターテインメントが失われかけ、苦しみを味わったのはアーティストもリスナーも同じだろう。そして、もしどちらか片方でも欠けてしまえば、ライブは成立しない。本編ラストで披露された「More Than Words」では、サビの歌詞がスクリーンに表示されていた。〈いつだって僕らは強く願うのさ/信じ合う想いが/何度だってそう乗り越える〉。この歌詞を映し出したのは、私たちが信じ続ければまた今日のような日は必ずやって来る、そして世界はきっと良い方向へ向かっていくはずだ、と伝えようとしていたからなのかもしれない。

 アンコールでは2019年以来となるワールドツアー開催が発表された後、「Rock Kingdom」を熱演。そして一体感に包まれた「FLY AGAIN」は、演者と観客という区切りはない、共に苦しい日々を乗り越えてきた者たちによるアンセムのようにも聞こえた。皆が同じように願う限り、エンターテインメントはこの先もきっとなくならない。そんなことを感じた2時間半だった。

MAN WITH A MISSIONが連作アルバムで伝える、“壁を乗り越える”という希望 時代の空気を反映したメッセージも

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