4s4ki、秘めたる衝動を分かち合った独創的な一夜 貴重な3人編成で行われた『Killer in Neverland ; 電脳郷』

 4s4kiが10月31日、初の全国ツアーの追加公演『4s4ki Oneman Live Tour 2022 EXTRA「Killer in Neverland ; 電脳郷」』をZepp DiverCity (TOKYO)にて開催した。先日リリースしたアルバム『Killer in Neverland』の収録曲を中心に、4s4kiの世界観が凝縮されたような一夜となった。

 まずは大きなスクリーンに映像が映し出され、「電脳郷」が流れ始めた。異世界空間に迷い込んだような独特のグラフィックが会場の視線を引き込み、透過する幕の裏で4s4kiが存在感を見せつける。間髪入れずに「LOG OUT」へ突入。自然と歓声が湧き上がった。そこから「先制の剣」「ring ring, you kill me」「I LOVE ME」と立て続けに披露。曲中には「今日はEXTRA SHOWということでツアーが終わっちゃうんだけど、まだまだみんないけるよね?」と客席を力強く煽る一幕もあった。序盤から全力で歌う4s4kiの姿が印象的だった。

 歌い終えるとステージにいるメンバー紹介へ。この日はバックDJにGigandect、電子ドラムにUraraを迎えた貴重な3人編成でのライブとなった。Uraraは初参加ということで、照れながらも全身全霊でリズムを刻む姿が印象的だった。

 続いて歌ったのは「NEXUS」。メロディアスな旋律が4s4kiのエモーショナルな歌声によって会場に届く。そして「傍観者」「0h G0D!!」「Cross out」「innocence」と続けて歌った。曲のラストに4s4kiは「大好きだよ」と客席に向かって言うと、会場からは「可愛い」といった声が聞こえた。その後4s4kiは、こう語る。

「今まで生きてきた中で、楽しかったこと、嬉しかったこと、いろんなことを知れたと思う。こんなに大きな会場でライブができることは幸せだと思ってる。でも、たまにどんなに幸せでも、急に自分なんか消えちゃえばいいのになと思っちゃう時があって。そういう気持ちをちょっとでも持ってる子がいたら、私が絶対に助けてあげるから、私の曲を聴きな」

 4s4kiの歌には胸の痛みや苦痛、内に秘めた衝動が宿っていると感じる。それが聴く者の内面と共鳴するのだろう。そうした精神的な話を抜きにしても、実際会場に流れる大音量のサウンドの波動によって着ている服が振動し、肌に直接伝わってくるものがある。4s4kiがマイクを使って叫ぶ歌声が、精神的にも物理的にも人々の心を震わせているのだ。

 そうして披露したのはダークさもありつつ疾走感のある「ブラックホール」と「paranoia」。4s4kiの訴えかけるようなボーカルが会場に轟く。「今みんなの心の闇が浄化され、天使がみんなのおうちのベッドの中で眠ってると思う」と話してから歌ったのは「sweet dream」。サイケデリックな映像とサウンドがオーディエンスを包み込む。息を呑むような瞬間だった。

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