SEVENTEEN、日本1st EPがアルバムチャート堂々首位 緩急ついた選曲の妙、“J-POP性”ある華やかなアレンジも

 なかでも興味深いのは、「Darl+ing -Holiday ver.-」。シンプルだがフックのあるベースラインが楽曲の原動力になっていたオリジナルとは対照的なアレンジになっている。シンプルなギターとパッドがイントロとなる構成自体、いきなり歌から始まる原曲とは異なっているし、最初のヴァース(Aメロ)では、弾力のあるベースラインがなめらかにゆらぐグルーヴを醸すかわりに、やや音域高めのベースラインが16分音符で前へ一歩一歩進んでいくかのように鳴っている。続くプレコーラス(Bメロ)は最初のクライマックスのひとつだが、このドラマチックに動き回るストリングスを聴いてしまうと、原曲はかなり抑制されているように感じられる。

 この違いが如実に感じられるのがラストの展開で、ブリッジ(Cメロ)から最後のコーラス(サビ)に入ると、その前半に日本のポップス用語で言うところの「落ちサビ」(盛り上がる前に一度バックトラックが引いてアクセントになる)が入って、改めてコーラスになる。構成自体は原曲もこちらのバージョンも同じなのだけれど、後者ではさまざまな楽器を駆使して装飾したサウンドが、最後の展開をこれでもかと盛り上げる。この華やかさはさすが「Holiday ver.」という名前を冠するだけあって、なにかとドラマに事欠かない年の瀬にふさわしいアレンジだろう。

 と同時に、このバージョンが日本でのEPに収録されたことも、この華やかさと無関係ではないかもしれない。私見だが、ストリングスをはじめとしたメロディ楽器で楽曲を装飾し、ドラマチックに仕上げるのはある種の「J-POP性」とかなり強く結びついている(この連載でも何度か言及したことがある)。良し悪しを言う話でもないけれど、仮に推測が正しかったら、この傾向は2022年も健在ということなのかしら、とぼんやり考えてしまうのだった。

SEVENTEEN(세븐틴) JAPAN 1st EP 'DREAM' Highlight Medley

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