『バンドリ!』登場バンド勢揃いで届けた夢のような時間 2年越しの“約束”を果たした『Girls Band Party! 2020→2022』レポ
『バンドリ!』登場バンドが一堂に会するライブイベント『BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020→2022』が11月12日、ベルーナドームにて開催された。このイベントは当初2020年5月に行われる予定だったが、新型コロナウイルスの蔓延に伴い延期に。このたび2年越しの開催が実現した。残念ながら、Pastel*Palettes 丸山彩役の前島亜美が体調不良により出演を見合わせることになったものの、Poppin'Party、Roselia、RAISE A SUILEN、Morfonicaといったリアルバンド4組に加え、Afterglow 美竹蘭役の佐倉綾音、ハロー、ハッピーワールド! 弦巻こころ役の伊藤美来という豪華な顔ぶれがバンドリーマー(=『バンドリ!』ファン)と夢のような時間を共有することとなった。
イベントは15時スタート予定だったが、これに先駆けて14時半からオープニングアクトのMyGO!!!!!が突如ステージに登場。入場済みのバンドリーマーは歓喜のリアクションを示す。ボーカルの燈(Tomori)は「これから披露させていただく曲は、私たちの初めてのオリジナル曲です。今日1日、楽しんでいただけるよう頑張ります」と告げ、リリースされたばかりの1stシングルから「迷星叫」を披露。ここまで明るい環境でのライブは彼女たちにとって初めての経験かもしれないが、そんなことお構いなしに焦燥感の強いサウンドとボーカルで、大舞台でのパフォーマンスを見事完遂した。
MyGO!!!!!を経て、いよいよ『BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020→2022』が本格的にスタート。会場内BGMの音量がひときわ大きくなると、スクリーンにはオープニング映像とともにこの日の出演バンドが次々に紹介されていく。念願だった2年越しの“夢の宴”、トップバッターを飾るのはMorfonicaだ。デビュー曲「Daylight -デイライト-」からライブをスタートさせると、ギターとバイオリンが絡み合う優雅なアンサンブルかつドラマチックなサウンドに乗せて、倉田ましろ役の進藤あまねが優しさと力強さを併せ持つボーカルを響かせる。ライブを重ねるごとに鉄壁さが向上するバンドサウンドは、もはや『バンドリ!』の末っ子バンドとは思わせないほど堂々としたものだった。以降も「ブルームブルーム」「flame of hope」といったヒットチューンを連発し、最後はアニメーションPVを背に「寄る辺のSunny, Sunny」を披露して、自身の出演パートを締め括った。
これで終わりかと思いきや、桐ヶ谷透子役の直田姫奈が「先輩たちとの絆を奏でたいんだよね」と、ステージにPoppin'Partyの面々を呼び込むと、『劇場版「BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage」』で初公開されたコラボ楽曲「絆色のアンサンブル」を総勢10人でライブ初パフォーマンス。残念ながらPastel*Palettesを含む3組での共演は叶わなかったが、スクリーンには丸山彩の姿もあり、また彼女のパートでは実際の歌声も使用され、愛とリスペクトがストレートに伝わる、多幸感に満ち溢れたステージが展開された。
2組目はハロー、ハッピーワールド!の出番だ。ひとりステージに姿を現した弦巻こころ役の伊藤美来は、「さあ、出発よー!」を合図にライブ初披露の「にこ×にこ=ハイパースマイルパワー!」からパフォーマンスを開始。RAISE A SUILENをバックバンドに迎え、まるでアミューズメントパークのような空気感で会場を包み込んでいく。そのモードは続く「ゴーカ!ごーかい!?ファントムシーフ!」でさらに強まり、さらにMCでは伊藤の「すごーい、顔がいっぱーい! 顔がいっぱいということは、笑顔もいっぱいということね」という言葉で会場にはハッピーオーラが充満。そのハッピーさがさらに増すサプライズとして、シークレットゲストとして北沢はぐみ役の吉田有里がステージに登場すると、客席のボルテージは急加速。吉田は『バンドリ!』ライブイベントに出演するのはこれが初めてとあって、「こんな形でステージに立つ反則技を皆さんが受け入れてくれて……」と感動の涙を浮かべる。そんな中、伊藤は「笑顔でいっぱいだよー、大丈夫だよー」と弦巻こころさながらのメッセージを送る。そして、2人は息の合ったダンスを交えながら「うぃーきゃん☆フレフレっ!」で幸せな空間を満喫し、「ハッピー! ラッキー! スマイル! イェーイ!」の合言葉とともにステージをあとにした。
3組目はAfterglow。再びRASをバックバンドに、今度は美竹蘭役の佐倉綾音がクールな佇まいで「独創収差」をライブ初歌唱。彼女は難易度の高いこの曲を堂々と歌いきり、客席からは惜しみない拍手が送られる。そこから間髪入れず「Hey-day狂騒曲(カプリチオ)」になだれ込むと、佐倉は笑みを浮かべながらマイクスタンドを振り回すなど、このステージを満喫している様子が窺えた。さらに「今日は2年前の約束を果たしに来ました。私はいつもどおり歌うだけ」と告げると、ライブの盛り上げには欠かせない「Y.O.L.O!!!!!」を投入。「ドーム、踊れーっ!」を合図に、バンドリーマーたちもペンライトを振る腕の力強さが加速していく。ライブで披露されるのは今回が2度目の「Y.O.L.O!!!!!」だが、前回を超える熱狂が会場全体に伝播していく様子が伝わってきた。
Afterglowの出番が終わると、スクリーンにはPastel*Palettesのライブ映像が上映。「天下トーイツA to Z☆」「もういちど ルミナス」「しゅわりん☆どり~みん」といった人気曲が立て続けに流れると、これに合わせて客席はグリーンとピンクに染まり、温かな拍手が送られた。
4組目はいよいよRAISE A SUILENの単独ステージ。バックバンド演奏にて体が温まったあとだけに、彼女たちは「R・I・O・T」から熱のこもった歌とプレイを繰り出す。レイヤ役のRaychellが「もっともっと行けんだろ、全力でかかってこい!」と煽ると、客席のペンライトの海は大きなうねりを上げながら応えていく。続く「HELL! or HELL?」「DRIVE US CRAZY」ではチュチュ役の紡木吏佐によるラップや合いの手も加わり、場の一体感はさらに高まることに。かと思えば、パレオ役の倉知玲鳳による美しいピアノソロから始まる「Beautiful Birthday」では会場に情熱的な空気を充満させ、会場が一丸となって激しいヘドバンをする「EXPOSE ‘Burn out!!!’」 にて自身の持ち時間を終えた。
その後、ステージに伊藤美来を呼び込んで、RAISE A SUILEN×ハロー、ハッピーワールド!のコラボ曲「ラスハピーポー!」をライブ初披露。カラーの異なる2組だが、伊藤と紡木の掛け合いなど含め親和性の高さを感じさせるポイントが多い一方で、ズシンと構えるRaychellの隣で可憐に舞う伊藤の対比など、終始見どころの多いパフォーマンスを満喫することができた。