adieu=上白石萌歌、1年ぶりツアーで果たしたファンとの再会 様々な思いを音楽で伝える一夜に
〈守ってあげるから あなたの悲しみは ぜんぶぜんぶ わたしにください〉。本編ラストで歌った「ひかりのはなし」の一節なのだが、まさにこれがadieuのライブ。包み込むような温かさが、そこにあった。
アンコールでは、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』出演のため、1年半ほど練習した“友達”である三線の弾き語りを披露した。あくまでadieuのライブであるから、演奏はぎりぎりまで迷ったというが「(作品で演じた)歌子をこのステージにあげたくなった」という彼女。「娘ジントヨー」を歌い、拍手が起こると「歌子も喜んでます」と笑った。
「最近、ずっとライブのことを考えていて、片思いみたいな気持ちだった」というほど、ライブを楽しみにしていたadieu。「ああ、寂しい!」と、名残惜しそうに何度も繰り返し、最後に届けた「夏の限り」。ノスタルジックな歌詞と、ほんの少し漂う寂しさに、終わりゆく時間が重なる。両手を大きく振り、元気な再会を約束し、両手を振ってステージをあとにした。大きな拍手が、彼女を見送った。