中森明菜ら“花の82年組”の影響力はなぜ衰えないのか デビュー40周年、注目の話題や動向を中森明夫に聞く

 8月30日、中森明菜が突如Twitterを開設し、活動再開のメッセージを発信した。このニュースは瞬く間にSNS上で話題になり、アカウントは開設から約11時間で30万人のフォロワーに達した。関連ツイート数は8万件を超え(※1)、5年ぶりにTwitterトレンドに入るなど、「中森明菜」の持つ人気の強さを、多くの人々が目の当たりにした出来事だ。

 中森と同じ1982年デビューの早見優は、松本伊代、森口博子らとの集合ショットをInstagramで公開し、10月にリリースするデビュー40周年を記念した作品のレコーディング風景を届けている。

 また、今年6月には浅香唯が“アイドル四天王”最後のサブスク解禁をしたことも記憶に新しい。浅香は先日、日本プロ麻雀協会の試験に合格し、プロ雀士となったことを発表している。

 このように、80年代に活躍したアイドルの一挙一動にはたびたび注目が集まり、世の中からの興味や関心が依然衰えない印象だ。さらに今年は、1982年にデビューしたアイドルが活動40周年を迎える記念すべき年。中森明菜をはじめ、今年気になった動きや、年末に向けて期待することなどを、アイドル評論家の中森明夫氏に聞いた。

 まず中森明菜の動きが何かと注目を集める背景について、以下のように語った。

「80年代、とりわけ“花の82年組”は多くの歴史的なアイドルがデビューしているわけですが、中でも誰もが知る多くのヒット曲を出したのが中森明菜。2017年からは歌手活動自体を休止していることもあり、彼女の歌う姿を見たい、というファンが待望論を唱えている状況が続いています。彼女の話題性は今回のTwitter開設に限ったことではなく、今年7月に1989年春に開催した野外ライブの映像を放送した際(『中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版』/NHK BSプレミアム)も、開始直後にトレンドに入っています。過去のライブ映像にもかかわらず、これは非常に稀有なこと」

 そんな1989年のライブは中森明菜ファンにとって大きな意味を持つと中森氏は続ける。

「89年は中森明菜にとって色々なことが起きた年でもあり、その直前の輝きがおさめられたライブの持つ意味は大きい。その後、ステージでの歌唱を見られる機会は少なくなっていきましたが、2016年に開催したディナーショーには私も足を運びました。実に7年ぶりのステージだったわけですが、その時に目の当たりにしたファンの熱狂ぶりは凄まじかった。大きな歓声を上げ、涙ぐむ人も多く、中森明菜は特別な人であるということを再認識した瞬間でした」

 さらに中森氏は、80年代アイドルにとって大きな意味を持つ『NHK紅白歌合戦』という舞台についてこう言及する。

「中森明菜を始め、小泉今日子、早見優、松本伊代といった82年組は今年歌手デビュー40周年。NHKは力を入れて『紅白』出演のオファーに動いているのではないでしょうか。『紅白』といえば、近年は、薬師丸ひろ子、小泉今日子などが出演し、話題になったことも記憶に新しいです」

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