King & Prince、リリースごとに進化するパフォーマンス ダンスで作り上げる世界観に表れるクリエイティビティ
9月14日午前7時、「おはようございます!行ってきます!」のTwitter投稿からスタートしたKing & Prince 10thシングル『TraceTrace』発売日。朝の情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)での生出演&生パフォーマンスにはじまり、22時30分からは公式YouTubeチャンネルで表題曲「TraceTrace」のDance Practiceを生配信。さらに22時40分からは「TraceTraceリリース記念インスタライブ 名付けて #トレトレンスタライブ やるよ!」と告知し、Instagramにてライブ配信を実施。ハッシュタグ「#朝からトレトレ生KP」の投稿も充実した内容になった。
リリース当日は生出演にこだわったKing & Princeだが、他にも複数の音楽番組で怒涛の出演ラッシュを経ている。そこから見えてきたのは、彼らの紛れもなく進化し続けるパフォーマンスだった。
同曲をテレビ初披露した『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)では、本作で初のセンターを務める永瀬廉が、堂々とした存在感で惹きつける。心臓の鼓動を思わせるAメロの特徴的なビートと見事にリンクした髙橋海人の振りが心地いい。平野紫耀は、思わず力んでしまいそうな激しい動きにも関わらず、優しくて柔らかい歌声を重ね、岸優太は〈君の歩幅で歩けるならさ〉という歌詞と連動して、気持ちが入った歌い方とジェスチャーを見せる。神宮寺勇太は軽やかに、左右の大きな移動も滑らかにパフォーマンスしてみせる。すました表情もあれば、眉間にしわを寄せながら想いを込めるなど、無機質さと熱い感情を兼ね備える緩急ある歌唱からも、ダンスのコンセプトである「アンドロイドと人間」を表現していることがわかる。また、曲のはじまりと終わりを永瀬が引き締める一方で、大サビの終わりに2人で向き合って笑顔を浮かべる平野と髙橋。コントラストが引き立つ印象的な場面だった。
一方、大きく話題を集めたDance Practiceの生配信では、曲が始まる前に平野がサッと顔を出してみたり、岸が手で鳩を作ってみたり、King & Princeらしいほのぼのとした雰囲気。ところが、いざフォーメーションを定めて曲が始まると空気が変わる。「ここで決めずしてどこで決める?」なんて表立っては言わないし表情も変わらないのだが、“いざ、勝負”という気迫や勇ましさを感じる。
King & Princeならではのふわりとした無重力感や浮遊感は、足音からも伝わる。時折キュッと床をこする音がするように、止めや踏ん張りと、メリハリをつけながら細かくカウントを取る。立ち位置を確認する様子なんて微塵もないのに、美しいフォーメーションを形成していく。そんな息の合ったダンスからは、いかに一人ひとりがダンスに向き合ったか、そして誤魔化しようのない場面でこそ発揮されるクオリティは忠実さの賜物だろう。2番からよりアクティブな動きをみせるのも彼ららしく、同映像で見るとさらに迫力が増す。5人は肩の力を抜いた様子でありながら、どこかキリっとしたものが感じられる。それは誰かとのバトルや比較ではなく、あくまでも自分たちとの戦い。前回を上回るパフォーマンスをーーそんな心意気を感じる。
衣装についても、MVの真っ白なワントーンコーデによって楽曲のコンセプトを演出したかと思えば、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)ではとろみ感のある柄シャツのリンクコーデで季節感を取り入れながら華やかな装いに。そしてDance Practice動画ではさらにカジュアルダウンと、一つの楽曲でも様々な雰囲気を演出している。そんなところもダンスコンセプトと重なって見える。