フェス中止やメンバー欠員への“緊急対応”が話題 King Gnu、関ジャニ∞、BREIMEN、ヤバT……1回限りの特別演出に注目

 『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』最終日は台風の接近により中止となってしまったが、そんな状況でもフェスに参加予定だった人たちを楽しませようとするアーティストもいた。例えば、スタジオでリハーサルをしていた最中に中止を知った関ジャニ∞は、急遽インスタライブを行い、当日演奏予定だった「ふりむくわけにはいかないぜ」を披露。カメラ1台だけの映像だったが、だからこそ想いが伝わる生々しく熱い演奏だった。

 中止になった日の出演時間に合わせて、配信ライブを行った出演者もいる。WANIMAは当日の出演予定時刻にインスタライブを行って5曲を披露し、ファンへメッセージを送った。また、BIGMAMAはYouTubeでの無料配信ライブを、TOTALFATはインスタライブを出演予定時刻に行ったが、彼らは予定されていたセットリスト通りにライブを行っている。まるで実際にライブに参加したかのような気持ちになれて、中止でショックを受けていた参加者の心を癒す素晴らしい配信だったと思う。ヤバイTシャツ屋さんは、披露する予定だった楽曲の過去のライブ映像を繋げて編集し、1回限りの映像配信をアナウンス。開始直後にトラブルに見舞われるも、SNSでは大きな盛り上がりを見せ「#RIJF2022ヤバT」はTwitterの世界トレンド1位を獲得した。配信ライブを行わなかったものの、KEYTALKやDISH//など複数の出演者が当日予定していたセットリストをSNSに投稿し、その順番通りのプレイリストを各種サブスクリプションサービスに公開している。

 感染症や自然災害など、様々な事情で音楽フェスやライブイベントの中止・延期が相次ぐ昨今。開催されるのは当然のことではなく、特別なことなのだ。そしてメンバーのキャンセルや音楽フェスの中止で出演者が緊急対応することも、当然のことではない。急な配信ライブやゲストメンバーを迎えたライブなどは間違いなく負担が大きいはずだが、それでも何とかしようとするのは、参加者をガッカリさせたくないという想いや、楽しい思い出として残したいという気持ちからだろう。トラブル対応をするのが当たり前と思わず、特別なことを努めて行っているアーティストや音楽フェスに敬意を持つことも大切ではないだろうか。

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