声優、俳優、アーティスト……宮野真守が多方面で活躍できる理由とは? それぞれに共通するスタンス
宮野真守が8月1日にデジタルシングル『EVERLASTING/ジャーニー』をリリースした。
声優、音楽活動を軸に、長きにわたって第一線を走り続けている宮野。声優が多岐にわたる活動をするようになった先駆けの人物は何人かいるが、彼はそのうちの1人だと言っていいだろう。2000年代前半から声優活動をスタートし、これまで『DEATH NOTE』(日本テレビほか)の夜神月役、『機動戦士ガンダム00』(MBS・TBS系)の刹那・F・セイエイ役、『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの一ノ瀬トキヤ役など、様々な作品の主人公や重要な役どころを務めてきた宮野。その後2007年には歌手デビューも果たし、これまで22作のシングルをリリース。ライブ活動も活発に行っており歌手としての人気も高く、バラエティ番組やドラマ出演、舞台など、様々な活動でその活躍を目の当たりにした人も多いことだろう。
広い役柄を演じる対応力や安定感のある歌唱力が魅力の宮野だが、そんな魅力を作り上げる重要な要素となっているのが、彼の俳優としてのキャリアだ。小学生時代から劇団ひまわりに所属し子役としても活動していたという彼は、これまで舞台やドラマへの出演も多く、声以外も使った全身での演技経験も豊富。以前、インタビューにて「声優は想像力がすべてですが、俳優は動くことができます。例えば、体全体で死に物狂いの戦いを演じた時、こういう声が出るんだと実感したら、そのまま声優の時に活用できるんですよね」と語っていたことがあるが(※1)、俳優としての経験を声のみで演じる声優の活動に凝縮していることが分かる。
宮野は声優として主役脇役問わず様々な役を演じてきているが、『ハイキュー!!』(MBS・TBS系)宮侑役や『うらみちお兄さん』(テレビ東京ほか)蛇賀池照役、『妖狐×僕SS』(MBS・TBS系)夏目残夏役など、ユーモアのあるキャラクターや、冒頭でも触れた『DEATH NOTE』の夜神月といった複雑なキャラクターを演じることも多い。彼はそれを極端な表現ではなく、自然なニュアンスで演じる。それでいて存在感のある演技は、俳優活動での生身を使った演技からの影響もあるのではないだろうか。その幅広い表現で、ムードメーカー的な存在からクールなキャラクター、アイドルまでを自然に演じ分ける。どの役をとっても違和感のない役柄はキャラクターに没入しているようで、役への深い理解も感じられる。