渋谷慶一郎、GUCCI新ショートフィルムの音楽を担当 満島ひかりら出演で『竹取物語』を再構築

 渋谷慶一郎が音楽を担当したGUCCIのショートフィルム『Kaguya by Gucci』が公開された。

Kaguya by Gucci

 ショートフィルムは、今年で75周年を迎えたグッチのバンブーハンドルバッグを祝したもので、渋谷が音楽を書き下ろし、ボーカルをオルタ4が担当。オルタ4は、4月に大阪芸術大学のAndroid and Music Science Laboratory(AMSL)で誕生したばかりの新生アンドロイドで、映像では初めてメイクアップを施し、渋谷と出演している。

 約6分のショートフィルムは、日本最古の物語といわれる『竹取物語』を現代的に再構築。音楽は全編に渡り、オルタ4は物語を伝える狂言回し的な役割も果たしている。古典物語を現代的に再構築した『Kaguya by Gucci』のコンセプトに呼応するように、アナログ/デジタルシンセサイザーからストリングス、AIまで駆使した音楽が展開される。

 なお、作曲からミックスダウンまでは渋谷本人が行い、マスタリングは渋谷のアルバム『ATAK025 xxxHOLiC』も手掛けたベルリン在住のEnyang Urbiksが担当。また、オルタ4が歌う歌詞の一部は、AI作詞家の「Cypher」によって制作された。

 ショートフィルムとビジュアルは本日8月10日より、全世界のGucci.comおよびグッチ公式YouTubeチャンネル、公式SNSアカウントなどで公開中。

渋谷慶一郎 コメント

映像に導かれるままに音をつけていって音楽は15分くらいで出来上がった。思い出すことが出来ないくらいスムーズに仕上がる曲というのはあって、今回はその典型だったと思う。とはいえ、アナログ/デジタルが混在する音響設計やアレンジはかなり精密を極め、東京とベルリンを横断するミックス⇄マスタリングの修正は7回にも及んだ。ミックスも自分でやったので世界観を構成する微細な部分にも最後まで手を入れ続けて、発表の10日前に全ては完成した。
明快なコンセプトと物語に対してアンドロイド・オルタ4のヴォーカルが能の狂言回しのように存在するというアイディアは最後まで強力に機能し続けて、歌詞の言葉が足りない部分はAIの作詞家であるCypherに作ってもらったけど、あまりにもフィットしていて戦慄したりもした。月に向かう二人に音で影をつけたくてシーンを跨ぐ深くて長いディレイを2回つけたことで明快さと抽象性の新しいバランスを提示できたと思う。
今までオーケストラやピアノといった人間によるアコースティック楽器と対置的に存在し歌うことが多かったアンドロイドが電子音響の中で漂い歌うことで新しい音楽のフォームを見つけそうな気もした。
最後までチャレンジングだった全てのスタッフに感謝したい。

■映像情報
『Kaguya by Gucci』
https://www.gucci.com/jp/ja/st/stories/article/kaguya-by-gucci
監督:長久允
主演:満島ひかり、アオイヤマダ、永山瑛太
音楽:渋谷慶一郎
オリジナル楽曲「I come from the Moon」
作曲:渋谷慶一郎
ボーカル:アンドロイド・オルタ4
作詞:長久允、Cypher(AI)
ミックス:渋谷慶一郎
マスタリング:Enyang Urbiks(Urbiks Studio)
音楽制作:ATAK

■関連リンク
ATAK:http://atak.jp/
Gucci.com:https://www.gucci.com/jp/ja/st/stories/article/kaguya-by-gucci
Gucci公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/watch?v=Kz7e-Q2Q9-4

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