ao、“音楽の先輩” Yaffleプロデュースで広がった表現の幅 YouTube映画『チェンジ』にちなんだ学生生活のエピソードも
「しっかりティーンエージャーの仲間たちに届けることができたら」
ーーYouTube映画『チェンジ』についても聞かせてください。まず、この作品にはどんな感想を持っていますか?
ao:20分くらいの中でどんどん物語が展開していって、最後に私も予想しなかったどんでん返しがあって面白かったです。映画を見て、こういう展開だったから「チェンジ」がこんなに激しい曲だったのか、って(笑)。
ーーしかも最後のセリフと、曲の最初の歌詞のつなげ方が、めちゃくちゃいいですよね。
ao:はい。それ、すごく思いました。
ーーaoさんは今も席替えを経験されているわけですけど、学校生活の中で「席替え」ってどういうものですか?
ao:『チェンジ』では異性の子の隣になりたいという願望のストーリーじゃないですか。私の学校は7、8割が女の子なので、誰の隣になりたいかより「どこの席が見やすいかな」とかをいつも考えているんですけど(笑)。高校の席替えはくじ引きなんですけど、中学のときは学級委員が席を決めることになっていて。私は学級委員をやっていたので好きに席を決めることができて、友達がクラスに好きな子がいたら「近くにしてあげよう」とか、ちょっと裏で手を回してました(笑)。
ーーええ! 映画のストーリーと近いものがあるじゃないですか。「俺、あの子の隣にしてよ」みたいな忖度もありました?
ao:あったりもしました(笑)。「あの子と近くがいいなあ」とか。でも、そういうことも考えてやるように先生から言われていて。まあ恋愛ではないんですけど、たとえば「班活動があったときに意見が出やすいように、親しい人を最低1人は入れよう」とか。その中に好きな子がいたら面白いなということで、私が色々やっていたんですけど(笑)。
ーー映画の主人公も学級委員長ですし、共感するところが多かったのでは?
ao:多かったかもしれないですね。同じことをやっている感じはしました。
ーー映画の中で、前田敦子さん演じる先生が「ルールなんだからちゃんと守りなさい」と言うシーンがありますよね。aoさんは「ルール」「校則」に対してどういう考えを持っていますか。
ao:高校に通い始めて思ったのは、自分で管理ができていれば問題ないんじゃないかということで。中学は校則が多かった気がします(笑)。高校になるとiPadを授業で活用していますし、私の高校はスマホも授業中に出していていいので、iPadを見ながらスマホでパパッと調べることもできて。マイナスだと思われがちなことも、実は活用すればプラスになると感じています。でもそれは、やっぱり個人がちゃんとしてないとダメですよね。自分で自分をコントロールできていれば、その過程では個人の好きなようにしていいのかなと思います。それで自分の道を見つけられることもあると思うので。先生たちには、そこを閉ざさないでほしいなって。
ーーこれまでのMVでは年齢に関係ない表現をしていたと思うんですけど、今回は制服を着て教室で撮って「高校生」であることが前面に出ていますよね。そういう表現だからこそ伝えられる内容や届けられる対象があると思うのですが、いかがですか?
ao:「チェンジ」はちょっと反抗的なところが見える曲になっていて、私も中学のときは「反抗したい」という気持ちがあったので、しっかりティーンエージャーの仲間たちに届けることができるのかなと思います。私の他の曲は「幅広い世代のいろんな人へ届くように」という気持ちが大きいんですけど、この曲ではティーンエージャーのみんなが普段学校で思っていることや言えないことを、音楽を通して共有できたらいいなと思います。
ーーしかも映画とMVを手がけたシンクレア・ウィリアム監督も現役高校生ですよね。作品作りを通して、彼にはどんな印象がありますか?
ao:面白いお兄さん、という感じです。MV撮影の合間に見せていただいたシンクレア監督の落書きノートがすごくて。落書きのレベルではない絵がたくさんありました。細かい演技指導も監督に直接していただいたんですけど、彼の中でシナリオができあがっていて、一つひとつのリアクションをどれくらいの幅で取るかとかも決まっているんだなと。私も曲を作るときに頭の中で映像をつけるようにしているんですけど、もっと自分の中で確実なものを作りたいという気持ちが強くなりました。
ーー「チェンジ」を聴いたときにaoさんの中で浮かんだ映像のイメージと実際のMVは近かったですか?
ao:近かったです。私の中で「チェンジ」はオレンジ色だったんですけど、制服もちょっとオレンジがかったものを着ていて。あとポップな感じを想像していたので。黒板がシンクレア監督の絵で埋め尽くされていたり、今までのMVにない感じがすごくぴったりだなって思いました。
ーーaoさんの音楽は世代も時代も超えて届いていくものだと思うのですが、最後に「チェンジ」にちなんでこの質問をさせてください。音楽を通して意見を語り合いたいというaoさんは、同世代のリスナーとどんなコミュニケーションを取りたいと思っていますか?
ao:「こうでもいいんだな」って思ってもらうというか、道が拓けるお手伝いをできたらなと思っていて。初ライブのときに、「ゆっくり進んでいいんだなと思いました」と言ってくださった方がいて。ライブで1時間私の曲を聴いて、そういう結論に至ったんだなと思うと、また1人の人生に関われた気がして嬉しかったんです。そういう存在に少しずつなれたらなと思います。
■リリース情報
ao「チェンジ」
2022年8月3日(水)配信リリース
written by Yaffle / Furui Riho
prod.by Yaffle
■作品情報
東宝YouTube映画『チェンジ』
公開:2022年8月3日(水)20:00~プレミア公開
出演:西垣匠 井上音生/䋝田圭亮 高橋侃 篠田諒 平澤宏々路 今井悠貴/前田敦子
監督:シンクレア・ウィリアム
製作:東宝
本編:https://youtu.be/2JKivRmWtuc
映画公式サイト:https://gemstoneaudition.com/change
■関連リンク
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