milet、リスナーへ“伝えたい”気持ち込めた歌声の牽引力 コンセプチュアルな演出で届けたデビュー3周年記念ライブ

 miletの多面的な魅力を堪能できたライブだったが、「Prover」で初のピアノ弾き語りにチャレンジしたり、新曲「Always You」を初披露したりと、アンコールでもさらに新しい表情を見せてくれた。「Always You」は映画『TANG タング』の主題歌として書き下ろした曲で、「近すぎて“ありがとう”や“ごめんね”を言えない人や、遠くにいるけど心にいつもいる人に、ずっと側にいるよと伝える温かい歌」と紹介されたが、ライブではmiletとファンを繋ぐ曲に変わる。そして〈君がいたら世界まで変わる〉というフレーズは、ファンからの愛を確かに感じながら挑戦を続けるmiletの姿勢を連想させた。人は生きていると様々な“未知”に出会う。それは新しいことに挑戦した際の手応えだったり、他者と接して初めて知る自身に潜む醜い感情であったりするだろう。だから“未知”は怖い。しかし、“どんなあなたでも愛している”と伝えてくれる人がこの世界のどこかにいるとすれば、その存在はあなたに勇気を与えてくれるのではないだろうか。

(写真=入日伸介)

 だからmiletはこう伝える。「みんなにももちろん日常があって、日々を過ごしていると思うけど、何かあったら、何もなくても、大好きで会いたいって人がここにいることを思い出してください。愛してます!」と。デビューからの3年間を支えたファンと自分を繋ぐ愛情を確認し合った、一夜限りのアニバーサリーライブ。この日最後の曲「Rewrite」を届けながら「またね!」「元気でいてね!」「1階、2階、3階、4階、全員愛してます!」などとたくさんの言葉を重ね、笑顔で手を振り、時には投げキッスする彼女の姿が心に焼きついた。

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