KinKi Kids&吉田拓郎の歴史と新たな関係のはじまり 木村拓哉らも登場した『LOVE LOVE あいしてる』収録を見て

KinKi Kidsにとって木村拓哉はいつまでも“かっこいいお兄さん”

 続いてのゲストは、同番組に三度目の登場となる木村拓哉。忌野清志郎との共演も含め、いずれの出演回も覚えているという木村に、吉田もまた、木村の初登場をはっきり覚えているという。そのとき木村を見て感じたことや、今回また会いたいと思った理由、木村のどういった点が好きかを熱く語る吉田。そのまっすぐな言葉に、木村は恐縮しきりだ。木村を慕うKinKi Kidsは今回、木村の出演に驚いたという。

 続いて、カプセルトイを引いてランダムに質問に答える、懐かしのコーナーへ。あるテーマについて、木村が自身の「ダサさ」をあけすけに話してくれたのだが、KinKi Kidsのなかで木村は、いつまでもかっこいいお兄さんであるよう。その後も、木村のふとした仕草に顔を見合わせてカッコ良いと言い合うなど、ほほえましい場面もあった。「そこを広げるのか?」という話題こそ盛り上がる、同番組らしさが垣間見えた収録でもあった。

 木村が選んだ「LOVE LOVEなうた」は、KinKi Kidsのデビュー曲「硝子の少年」。選んだ理由と、各方面への配慮も木村らしい。バックダンサーに徹したい木村と、一緒に歌いたいKinKi Kids。議論の末、木村をバックに二人が歌うことになったスペシャルなパフォーマンスは、オンエアでのお楽しみだ。また当時、実際にKinKi Kidsのバックダンサーをつとめていた生田斗真、風間俊介も、舞台出演を終えて駆けつけた。歌収録の後には、木村・生田・風間のリハーサル時のエピソード、木村とともにパフォーマンスができたKinKi Kidsの興奮など、和気あいあいとした様子で、話が止まらない。木村のInstagramに掲載された写真からも、あくまでKinKi Kidsをメインに立たせようと提案する木村の、優しさとサービス精神が見えた。

 収録はそのほか、吉田を敬愛する女優・奈緒が歌収録に参加。また、KinKi Kidsと吉田の共作曲「Sayonara あいしてる」を初披露したのち、最後にはKinKiから吉田に花束が送られた。長丁場であったことを感じさせない、終始あたたかな雰囲気で収録を終えた。

 この日の収録は無観客であることも影響し、ついつい深い話になった演者たち。ゆえに、自らの美学を持ちつつも、エンターテインメントの変化や若い世代の文化に柔軟な、吉田の声を聞くことができた。また、そうした現在の姿があるのは、まぎれもなくKinKi Kidsとの出会いがあったからだと吉田は言っていた。

 17歳と50歳のときに出会い、いつしか生涯の友となったKinKi Kidsと吉田拓郎。彼らの歴史と、新しい関係のはじまりを記録した同番組を、ぜひその目に焼き付けてほしい。

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