PSYCHIC FEVERが語る、エンタテインメントの未来を担う意志 念願のデビューでEXILE TRIBEに吹かせる新たな風

「年齢差を気にせずにメンバー全員で話し合うことが大切」

ーーラップチームの聴きどころはどこでしょうか?

JIMMY:僕はBメロで、みんなを繋ぐ役目をしています。普段から僕は低い声を活かしたフレーズを任されることが多いんですけど、この曲でもサビで一番盛り上げなきゃいけない分、曲の構成的に自分はあえて一歩引くというか。Chooseする(選択する)前の迷っている姿や、ちょっともどかしい感じを意識して歌いました。志が歌うBメロの後、僕のパートであえて落として落として、サビでパッと華やぐように。そしてサビでは、WEESAがちょっとロックテイストに、声をひっくり返すように歌っているラフな感じを活かしたかったので、僕はアドリブも入れながら、しっかり重心を下げて歌うようにしましたね。

中西:僕は2Aの〈PsyFee(サイフィ―)の曲 Request〉〈しっかり締めな シートべ゙ルト〉というフレーズを担当しているのですが、「困ったら僕らの曲を聴いてくれよ!」みたいな雰囲気で、ポジティブな気持ちになってくれたらいいなっていう想いで歌わせていただきました。歌詞の通り僕の中では車内で聴いているイメージができ上がっているので、“この曲もいろいろなところで聴ける曲だし、こんな世の中だからこそ、答えは1つじゃないんだよ”っていうメッセージも込めて歌っています。 

渡邉廉

渡邉廉(以下、渡邉):僕のパートはラップとボーカルの間と言いますか、あくまでもラップ担当として歌わせてもらっているので、ボーカルに寄りすぎないように歌ったんですが、そのバランスをとるのが難しく今回もそこにこだわりました。ただ、僕は第二弾プレデビュー曲の「Best For You」でも歌っぽいサビを歌わせていただいたことがあって、その時に「自分にはこういう歌い方もできるんだ」っていう自信が生まれたのも確かなんですよ。だから今回は前向きに、何回も練習して良い状態でレコーディングできました。特に1Aは〈俺たちには 天井ないっす〉っていう前向きな歌詞になっているので、その気持ちを乗せるように、あえてどストレートな日本語で歌っています。

半田龍臣(以下、半田):僕は2ヴァース目の最初を担当しているんですが、ここでビートも一気に変わるので、空気を変えたいなっていう気持ちで歌わせていただきました。〈BadなWeekend〉っていう少しネガティブな歌詞が並んでいますし、歌声もわりと低めなんですけど、「Badな状況でもサイフィの曲を聴いてアガってるぜ!」みたいなイメージで歌っています。普段は僕もWEESAと同じく、いろんな歌い方を試したり、ガヤを録るのもかなりこだわるタイプなんですが、今回は最初から歌い方を1つに絞って、そこに向かって何回も録るっていうレコーディングになりました。個人的には楽しく、良い感じのテイクが録れたので、GoodなWeekendでしたね(笑)。

ーー2Aの〈何しちゃってもOK〉は、すごく剣さんっぽい言葉のチョイスですね。

剣:これはもう、僕の姿そのものですね。グループ内でアイデア出しをする時は、僕が最後のGOサインを出すことが多くて、よく「やっちゃえやっちゃえ!」って言うんで、「アイツ、よく言ってるな」って使われたんだと思います(笑)。でも、この歌詞を歌えてよかったなって思いましたね。僕のパートまでは、その人が悩んでいることに対して僕たちがアプローチしているんですけど、僕の後に続く志のパートからは、その人が選んだ道を僕らが背中を押して進んでいく流れに変わっていくので。スイッチが切り替わる最後の“カチッ”っていう瞬間で僕が出てくると知った時は、おお~って思いました。2Aの中でも龍臣や椋雅のパートは状況や景色を表しているんですけど、僕が歌う〈何しちゃってもOK〉は、心の中に入ってポンッと最後の一押しをしているようなリリックなので、しっかり生身の声で、直接背中を押すような気持ちで歌っています。その前の〈Everyday every moment〉も、僕は最年長メンバーとして一瞬一瞬が大事だということを日々感じているので、すごく僕らしい歌詞だなと思いますし、その想いを込めて丁寧に歌わせていただきました。

JIMMY

ーー「Choose One」は『EXILE LIVE TOUR 2021 “RED PHOENIX”』東京公演のオープニングアクトでも披露されましたが、振付のポイントや、実際にパフォーマンスした手応えはいかがですか?

WEESA:今回はKAITAさん(初代avex ROYALBRATSのリーダー)が振付をしてくださったんですけれども、全体的に大振りで見やすいですし、特にサビで出てくる人差し指を上げるポーズは、ライブでみなさんと一緒に盛り上がれる振付になっています。僕たちも絵文字で表現したりとか、ライブでパフォーマンスする前に「みなさん、手を挙げてください!」ってお願いしているんですが、回数を重ねるごとにやってくださる方が増えてきていて嬉しいです。

中西:KAITAくんは、龍臣と繋がりがあるんだよね?

半田:「Best For You」の振付をしてくれたKAZ the FIREくんもそうなんですけど、僕が昔一緒に活動をしていたチームのメンバーなんです。そんな人にデビューアルバムの表題曲を振付してもらえたっていう嬉しさもあって、僕はリリースイベントでもエモい気持ちを感じながら踊っていますね。

ーー新録曲の「Bitter Sweet」と「Spark It Up」の楽曲解説もお願いします。

JIMMY:まず「Bitter Sweet」は、メンバーの中でも大人気の曲で。PSYCHIC FEVERの人生って甘いだけじゃなくて、ほろ苦さがあるよな……っていう等身大の歌詞になっています。僕が特に好きなのは、後半のボーカルですね。PSYCHIC FEVERの歌って、結構自分の声1本で歌っていることが多くて、オクターブ下で重ねることはあっても、ハモることはあまりないんですよ。でも、この曲の後半のボーカルラインは、声をすごく重ねていますし、ハモりのメロディとか、ファルセットのキラキラした感じもすごく綺麗で。ヒップホップというよりは、*NSYNCとかOne Directionみたいな、キラキラした曲に仕上がっています。

小波津:この曲は一見恋愛の曲のようにも聴こえるんですけど、恋愛だけじゃない良さがあると思いますね。1AのWEESAの歌い出しの〈全然うまくいかない〉とかは、どんな状況にも当てはまると思いますし、僕が歌っているサビも、恋愛を思い浮かべる人もいれば違うことを連想する人もいると思います。歌い方としては「Choose One」とは対照的に、この曲では泣きの表現を多用していて。メンバー全員、どシンプルに伝えるというよりは、感情のままの歌い方をしていますね。

半田龍臣

ーー感情のまま歌うというのは、メンバー全員でレコーディング前に話し合って決めたんですか?

小波津:まず1回、何も言わずに各自が歌ってみたんですけど、「全然ちがくね?」ってなって(笑)。発音もそうですし、しゃくりとかフォールとか、絵で書いて説明しないと伝わらないような細かい歌い回しも全員で共有して、そこをかなり意識して歌いました。

渡邉:コミュニケーションを密にとるというのは、武者修行の頃から心がけてきたことですが、世界で活躍されているアーティストさんを見ていても、チーム感はすごく重要なポイントだなと思いますし、7人の個性がバラバラにあるのではなく、7人で1つになって初めてチームとして成り立つと思うので。どんなことも、年齢差を気にせずにメンバー全員で話し合うことが大切だなと、デビューを目前に控えて感じています。

ーー「Spark It Up」についてはいかがですか?

渡邉:「Spark It Up」は「Hotline」よりも前からあった曲で、2年ほど温めていたんですけど、海外を意識してるなっていう印象の曲ですね。レゲエっぽい曲調でラッパーのSIMONさんが作詞してくださった歌詞も英語が多めですし、フロウも海外のラッパーさんたちのようなフロウなので、聴いたら思わずノッてしまうと思います。振付もガツガツした、しっかりと重みのあるものになっていますし、ステージ上でも後ろにでっかいファイヤーが見えるんじゃないかっていうくらい、勢いのあるパフォーマンスをお届けしたいです。

ーーちなみに、龍臣さんのパートに〈バビロンCityに道筋照らす〉とありますが、もしかしてバビロニウム(Jr.EXILE総出演のエンタテインメントプロジェクト『BATTLE OF TOKYO』に出てくるバトルステージ)と繋がっていたりしますか。

半田:おそらく! 僕もこの曲を受け取った当時は「バビロンCityってなんだ?」って思っていたんですけど(笑)、BOTと繋ぎ合わせると、この曲を温めた意味があったなと。『BATTLE OF TOKYO』の4daysライブにも参戦が決まりましたし、2年越しで伏線を回収できるんじゃないかなと、僕も楽しみにしています。

ーーこれで、PSYCHIC FEVERもついにJr.EXILEの仲間入りですね。

半田:僕らはこれまでJr.EXILEのみなさんのバックダンサーを任せていただく立場だったので、そんな僕らがJr.EXILEの一員になるというのは、まだ実感がわかないですけどね。でも、僕たちは2019年の『BATTLE OF TOKYO』で発表されたグループでもあるので、そこに加えていただけるというのは感慨深いです。他のLDHのアーティストのみなさんともまた違った武器を持っていると思いますし、僕たちのほうからも積極的に新しいエンタテインメントを提案していけるようなグループになっていきたいなと思います。

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