上白石萌音、アルバム『name』から漂うリラックスした空気感 好きなものをたくさん取り入れた幸せな1枚
『news23』というテーマに寄り添った「夕陽に溶け出して」
ーーそうだったんですね。また、すでに『news23』(TBS系)でオンエア中の「夕陽に溶け出して」は、小林武史さん提供曲です。
上白石:まさか小林武史さんとご一緒する日が来るとは、想像もしていませんでした。エンジニアさんも興奮していて、レコーディング当日は2人で震えていたんですよ(笑)。最初にお会いしたときはオーラが凄まじかったですが、すごく物腰が柔らかい方で。いろいろ気遣ってくださって、穏やかにレコーディングを進めることができてホッとしました。
この曲は、「『news23』に合った曲にしたい」と小林さんがテーマに沿って曲を制作してくださったんです。世の中の雰囲気を反映した曲であると同時に普遍的なものもあり、いろんな言葉にハッとさせられたり自分を顧みたりと、すごく考えさせられる大きな曲になりました。
ーー1日の締めくくりに聴くと、胸にズンと響くものがありますよね。
上白石:そうですね。『news23』のエンディングって歌詞の字幕が出るじゃないですか。あんなに素敵な言葉が活字で届くので、私はそれがうれしくて。こういう形で曲が羽ばたいていくことをすごくありがたく思います。私は歌詞カードを読むのも好きなんですけど、文字になっていると、より形として入ってくるというか。「あ、ここは漢字なんだ。ここはひらがななんだ」みたいなところから受ける印象もすごく大きいですしね。
ーー実際、小林さんを前にしたレコーディングはいかがでしたか。
上白石:最初はガッチガチでした(笑)。歌い出しが低音なんですけど、たぶんすごく震えていたと思います。でも、小林さんは「俺がいたら怖いでしょ?」と気遣って、レコーディングブースの小窓から見えない位置に下がってくださったんです。そういうチャーミングさもありつつ、同時にすごく褒めながらアドバイスをくださったりして、最終的にはとても充実した楽しいレコーディングになりました。
人と一緒にいることの素敵さが詰まった「Tea for Two」
ーーそして、今作には唯一のカバー曲として、ジャズのスタンダードナンバー「Tea for Two」を取り上げています。
上白石:CMにも使われていたので、多くの方が一度は聴いたことがある曲だと思います。私自身もともと好きだった曲なんですが、『カムカムエヴリバディ』でも使われたことでより大切な曲になりました。『カムカムエヴリバディ』ではさまざまなジャズナンバーに触れたこともあり、ジャズのスタンダードから何か1曲歌いたいと考えて、思い入れがある大好きなスタンダードとして「Tea for Two」を選んだんです。
改めて思ったことですが、ここ数年はふたりでお茶を飲むこと……顔を向かい合わせてお茶を飲むことが難しい時代じゃないですか。このタイミングに歌うにはぴったりだったのかなと、気づかされますね。人と一緒にいることの素敵さが詰まった曲です。
ーーそこからラストナンバー「君の名前」へと続く流れも、すごく気持ち良いですよね。
上白石:「君の名前」は今回の新曲の中では序盤に制作しましたが、完成したときから「これはラストだな」と思っていたんです。優しく締めくくりつつ、大きいものを残して終わる曲だと思うので、そこは最初に決まりました。
ーーかなり充実した内容に仕上がりましたが、当初想定していた通りでしょうか。
上白石:想定以上の仕上がりです。本当に幸せな1枚になりました。
ーー7月16日からは新たな全国ツアー『「yattokosa」Tour 2022』もスタートします。
上白石:先日、ライブのセットリストを決めたんですけど、すごく難しいと同時にとても面白い内容になりそうで。主となる色はこの『name』で生まれた、ちょっと落ち着いたカラーだと思うんですが、そこに今までの曲が入るとまた新しい歌い方にもなると思いますし。歌手デビューしたての頃に歌った曲を今の私が歌うとどうなるのかなという興味もありますし、こうやって少しずつ曲が増えていくことは本当にありがたくて、楽しいことだなと思います。
ーー上白石さんの場合、オリジナル曲とカバー曲を歌う際の棲み分けも個人的には気になっているんですが、ステージで表現する際に意識していることは何かありますか?
上白石:実感を伴って、全部自分の言葉として歌いたいなというのがまずあります。オリジナル楽曲もいろんなアーティストさんに書いていただいたものなので、そういう意味ではカバーと言えますし、あまりそこの違いは考えていないですね。どの曲も大事に歌うのみです。
ーー「自分の言葉として歌いたい」というのが、大きなポイントなんですね。
上白石:そうですね。これはお芝居をする上でも思うことで、脚本家さんが書いたセリフという思考や感情を、自分を通して外に出す際にはなるべく嘘がないように、自分のこととして捉えるのが大切だと思っていて。同じことを歌でも表現したいので、心からそうだなと思いながら歌いたいです。そのためにも、まず自分が生きることを楽しまなきゃと思っています。そうじゃないと説得力がないですしね。
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■リリース情報
上白石萌音
NEWアルバム『name』
2022年7月13日発売
<収録曲 /全9曲>
1. I’ll be there
Lyrics:いしわたり淳治 Music:末光 篤 ※TBS系「王様のブランチ」テーマソング
2. ジェリーフィッシュ
Lyrics:Makoto ATOZI Music:金子隆博
3. チョイス
Lyrics:キヨサク Music:キヨサク
4. スピン
Lyrics:上白石 萌音 Music:諸見里 修
5. 懐かしい未来
Lyrics:森山 直太朗 Music:森山 直太朗 ※『第100回全国高校サッカー選手権大会』応援歌
6. 愛すべきブルー
Lyrics:谷中 敦 Music:川上 つよし
7. 夕陽に溶け出して
Lyrics:小林 武史 Music:小林 武史 ※TBS系『news23』エンディングテーマ
8. Tea for Two
Lyrics:Irving Caesar Music:Vincent Youmans
9. 君の名前
Lyrics:佐藤 良成 Music:佐藤 良成
・初回限定盤(CD+DVD+ミニ写真集) 品番:UPCH-7625 価格:4,000円(税抜)/4,400円(税込)
【DVD収録内容】
「夕陽に溶け出して」ミュージックビデオ
「夕陽に溶け出して」ミュージックビデオメイキング映像
「懐かしい未来」ミュージックビデオ
「name」アートワーク撮影メイキング映像
・通常盤(CD)
品番:UPCH-2242 価格:3,000円(税抜)/3,300円(税込)
■ツアー情報
上白石萌音『yattokosa』Tour 2022
<スケジュール>
7月16日(土) 那覇文化芸術劇場なはーと(https://www.nahart.jp/)
7月21日(木) 札幌文化芸術劇場hitaru(https://www.sapporo-community-plaza.jp/theater.html) 8月6日(土) 岡山シンフォニーホール(http://www.okayama-symphonyhall.or.jp/) 8月11日(木祝) 東京国際フォーラムホールA(https://www.t-i-forum.co.jp/)
※17:00 OPEN / 18:00 START
<チケット>
・一般チケット
・学割(中高生)チケット
・学割(小学生)チケット
札幌公演のみ18:00 OPEN / 19:00 START
7,800円(税込) 6,000円(税込) 3,500円(税込)
※全席座席指定・消費税込 ※未就学児は、一般チケットをお持ちの保護者1名の同伴に限り1名まで入場可、膝上鑑賞
■上白石萌音 OFFICIAL
≪上白石萌音オフィシャルサイト≫ https://kamishiraishimone.com/
≪ユニバーサルミュージック 上白石萌音サイト≫https://www.universal-music.co.jp/kamishiraishi-mone/
≪上白石萌音Instagram 公式アカウント≫https://www.instagram.com/mone_kamishiraishi/?hl=ja
≪上白石萌音オフィシャルブログ≫ https://ameblo.jp/mone-kamishiraishi/
≪上白石萌音マネージャーTwitter≫ https://twitter.com/mone_tohoent
≪東宝芸能オフィシャルサイト≫ https://www.toho-ent.co.jp/actor/1055
※衣装クレジット:ノースリーブドレス 41,800円(エスロー/エンケル ︎03-6812-9897) 中に着たブラウス 46,200円(ケイコ ニシヤマ ︎03-5357-8292) イヤリング 3,080円(トゥラン/コトモノマルシェ東急ハンズ新宿店 ︎070-3229-6807) パンプス スタイリスト私物 (全て税込金額)