JO1、『KIZUNA』にも表れたグループ内の役割の変化 デビュー3年目の11人の成長

 5月25日に、JO1が2ndアルバム『KIZUNA』をリリースする。デビューから約2年2カ月、彼らのパフォーマンスは良い意味で変化が出てきたのではないだろうか。振り返ると、デビュー当初は河野純喜と與那城奨がボーカル、川尻蓮はダンス、木全翔也と鶴房汐恩がラップというイメージが強かった。しかし、『KIZUNA』リード曲「With Us」や収録曲「Walk It Like I Talk It」のほか、『KCON 2022 Premiere』でのパフォーマンスなど昨今の活動を見ると、メンバーそれぞれに合った役割が自然と確立してきたように見える。

 デビュー当初から大きく役割が変わったのは、川尻ではないだろうか。ダンスリーダーを務めているため、ダンス面での注目が大きかった川尻。「Walk It Like I Talk It」のMVでもそのダンススキルは余すところなく発揮されているのだが、今や張りのある歌声もJO1にとって欠かせないものになっている。その証拠にサビやサビ前のBメロなど、重要なパートを任されることが少なくない。「With Us」でも曲の盛り上がりに彼の歌声が一役買っていることがわかる。

 そしてもう1人、川西拓実も独自のポジションを築き上げてきたメンバーだ。デビュー当初は歌もダンスも未経験でありながら何でもこなせてしまうセンスの良さが評価されていた。そんな彼は経験を積んだことで、パフォーマンス力が一気に開花。センターで力強く踊ることはもちろん、心に響く歌唱力にも評価が集まっている。『THE FIRST TAKE』で歌った「僕らの季節」と「Move The Soul」に感動した人も多いのではないだろうか。

 スタイルの良さとファッションセンスの高さが注目されていた佐藤景瑚も、これまでと違った面を見せているメンバーの一人だ。ダンスの印象が強いが、もともと唯一無二の歌声を持っていた佐藤。最近ではパートも増えつつある。彼の歌声に注目してみると、高い音程で声を張ったときには周りのメンバーに溶け込み、地声でささやくように歌うと佐藤らしさが出ていることがわかる。この声質をうまく活かし、楽曲にメリハリをつけているのである。

 逆に、高い音域で声を張った時に“らしさ”が出るのはメインボーカルの河野。いずれの曲においてもその歌唱力を余すところなく発揮しており、グループ内で揺るぎないポジションを確立した。そして様々な経験を経て、パワフルさだけではなく繊細さも兼ね備えるように。ボーカリストとして、着実にステップアップしている。

 河野と同じくメインボーカルを務める與那城もそうだ。相変わらずの深く温かみのある歌声は健在で、どこを歌っていても一発で「與那城のパート」がわかるほど。もちろん、その個性は失われていないのだが、以前よりも一層周りと溶け合うように歌う技術に長けてきている。リーダーとしての視野の広さが、歌にも反映されているのかもしれない。

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