Snow Manを語る上で欠かせない“ギャップ”の要素 広がり続けるグループの魅力伝える間口

 4月6日から5月16日まで全53公演に及ぶ舞台『滝沢歌舞伎ZERO 2022』を新橋演舞場にて上演中のSnow Man。2019年に滝沢秀明から座長を受け継いだ本公演は、タイトルに冠する歌舞伎の他、歌やダンス、アクロバットなどを繰り広げるショーと江戸後期に実在したと言われる盗賊・鼠小僧次郎吉を題材とした芝居による2部構成。“ジャニーズエンターテインメント”と“和”の要素が見事に融合した『滝沢歌舞伎』にしかなしえないステージが人気を博している。来年は海外公演や国内大規模会場での開催計画があることも明らかにされており、今後さらなるスケールアップが期待される。

 本舞台から感じるのは、なんと言ってもメンバー9人の対応力の高さだろう。現代的な歌唱やダンスで見せる洗練されたパフォーマンスがあったかと思えば、『滝沢歌舞伎』ではおなじみの演目「変面」や「腹筋太鼓」の披露。今年は3kgほどある長髪のかつらを一心不乱に振り回す「連獅子」も追加となった。目まぐるしく変化する場面やシチュエーションに合わせて繊細さやダイナミックさなどその場に適した表現で見せていく。日々の鍛錬と経験がものをいう適応力である。加えて、2部では笑いから迫真の演技までもが求められる芝居パートも。グループのYouTubeチャンネルや各音楽番組、冠番組をはじめ、ソロでもバラエティ・情報番組、ドラマ・映画、雑誌など様々なフィールドで活躍するメンバーの姿を知る人はデビュー以降急増しているが、各人の新鮮な表情やいい意味でのギャップを感じる瞬間があるのも『滝沢歌舞伎ZERO』の魅力である。

 この“ギャップ”という要素はSnow Manを語る上では欠かせないものだ。9人それぞれが個性的なキャラクターを持つ一方、そのイメージに縛られず柔軟に果敢に新しい表現へのチャレンジを続けているため、その都度驚きや新たな発見がもたらされる。キャラクターの強さには特定分野への活動の幅を広げるメリットがあるとともに、時に可能性を狭めてしまう恐れがある。しかし、彼らにはその心配が不要であるのが実に頼もしい。

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