BiSH、『みんなのうた』放送曲がチャート上位に グループの個性と誰もが共感できる歌詞の融合
この見事な融合によって、BiSHの個性の部分の印象も変わってくる。いつものBiSHなら攻撃的に聞こえうる激しいギターの演奏も、この歌の後ろで鳴れば後悔に苛まれる主人公の悲痛な叫びのようにも聞こえてくるし、アイドルとしての側面も持っているこのガールズグループの声質も、『みんなのうた』を観ている子供たちの耳には馴染みやすい(共感を得やすい)ものだと思えてくる。初のコラボレーションが生んだ、まさに化学反応といったところだ。
ちなみに、この曲が使われているどこか懐かしいタッチで描かれたアニメーションは、いわゆる一般的な『みんなのうた』のイメージとは一味違い、優しさと暗さとが同居した不思議な世界観が印象深い作品になっている(※1)。BiSHにとって初の試みである今曲は、『みんなのうた』にとっても新境地の作品になっているのだ。
そして、SNSの誹謗中傷が問題視されている現代において、言葉で人を傷つけてしまったことを素直に反省するこの曲の姿勢は、今の時代に最も必要なものと言えるかもしれない。
※1:https://www.nhk.or.jp/minna/songs/MIN202204_04/