草なぎ剛はなぜ人を引き寄せるのか? 神木隆之介、吉沢亮、ユースケ・サンタマリアらの発言から考える

ユースケ・サンタマリアにとって草なぎは「永遠の相方」

 一方で変化の激しい時代だからこそ、草なぎの変わらぬ部分に安心感を持つのもまた共演者たちに共通していること。1998年から約20年続いた「『ぷっ』すま」(テレビ朝日系)、そして2019年からは『なぎスケ!』(Amazon Prime Video)へ。ブランクを経ても共演を長期に渡って続けたユースケ・サンタマリアは、4月17日放送の『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)にて、草なぎを「永遠の俺の相方」と語った。

 番組では、ずっとソロで活動してきたユースケ・サンタマリアにとって、コンビならではの「相方だけは味方」という関係性に憧れを抱いていたとも。「全然あいつ(草なぎ)からしたら仲間はいるんだけど、俺いないから。20年くらいやってたから、彼の前だとめちゃめちゃ安心するし」と、そんな「味方」となる存在として草なぎは欠かせないようだ。草なぎが番組内でユースケ・サンタマリアにプレゼントしたという革ジャンを、似合う年齢まで寝かせているというエピソードも明かされたが、またいい時間を重ねたタイミングで、“なぎスケ”コンビが復活することを願ってやまない。

 また、草なぎの役者人生におけるターニングポイントとして語られている、つかこうへい演出の舞台『蒲田行進曲』。そこで共演した小西真奈美とも、19年ぶりに舞台『家族のはなし PART1』で再会を果たしている。小西は、久しぶりの再会とは思えないほど草なぎが変わらぬ様子で「真奈美ちゃーん」と声をかけてくれたこと、そして「19年経ったと思えないくらいに、あっという間にそのときに戻ってしまって」と語っていたのが微笑ましかった(※2)。

 「そのときに戻る」という感覚。もちろん誰もが着実に年齢を重ねているのだが、若い頃から草なぎを見てきた人にとっては、ずっと少年のような無垢さを彼に感じる部分はありそうだ。その純粋な姿勢は、映画『ミッドナイトスワン』で対峙した新人女優・服部樹咲の演技ではない演技を「俺も真似しよう」と吸収する、柔軟なスタイルにも通じているのかもしれない。

 時を経ても固く凝り固まることがない草なぎを見ていると、どこか“あのころ”を思い出させてもらったり、あるいは“これから”も変わらないものがあると信じさせてもらえる。そんな稀有な存在感を持つ草なぎが、何かと不安定な現代に求められているのも納得だ。この先も長きに渡って、そんなやさしさと安心感を届けてくれる活躍を期待している。

※1:https://nhkbook-hiraku.com/n/n6d394340020c
※2:https://next.rikunabi.com/journal/20190422_p01/

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