Kis-My-Ft2メンバー分析 第7回:二階堂高嗣、ライブ演出も担うひたむきな姿勢 内に秘めたグループへの熱い想い

 昨年CDデビュー10周年を迎え、5月からは約3年ぶりとなるドームツアー『Kis-My-Ftに逢える de Show 2022 in DOME』をスタートさせるKis-My-Ft2。4月10日には公式YouTubeチャンネルを開設し、当日はライブの模様を一部生配信。チームワークが垣間見えるMCのあと、幻想的に煌めくシャンデリアの下で「Luv Bias」をパフォーマンスし、ステージ力を見せつけた。そのギャップあふれる魅力を、改めてまとめてみたい。第7回は二階堂高嗣。

Kis-My-Ft2

 メジャーなアイドルとなった今もふと「Kis-My-Ft2」というグループ名に、ポジティブなひっかかりを覚える瞬間がある。「1がいないのに、なぜ2なのか」という、きわめて単純なものだ。前身グループ「Kis-My-Ft.」が存在したから「2」には違いないのだが、ジャニー喜多川のひらめきにより、二階堂の名前はイニシャルではなく「2」としてグループ名に反映された(一時期は、ピリオドを担っていたそうだが)。二階堂がいなければ「Kis-My-Ft“2”」ではなかったかもしれない可能性を思うと、グループにおける二階堂のポジションにも重なるところがある。

 本人はあまり積極的にアイドルらしく振る舞わないが、実はバランスの良い万能タイプ。とりわけ高い運動能力の持ち主であり、アクロバットの技術はグループ随一だ。デビュー前からの持ち歌である「FIRE BEAT」や、デビュー初期に発表した「WANNA BEEEE!!!」では、二階堂の軽やかなバック宙も見せ場のひとつである。

 Kis-My-Ft2の楽曲にスパイスをもたらすハスキーボイスも彼の魅力。得意とするラップに活きるのはもちろん、ボーカル面でもエッジを効かせている。それでいて、ときに不思議なほど甘く優しい歌声は、幼さと大人っぽさの両極端を兼ね備えた、彼自身にも重なるよう。この振り幅こそ、二階堂高嗣の醍醐味だ。

 また、二階堂を語る上で特筆すべきは、Kis-My-Ft2のライブ演出を主に担当しているという点。演出を担うということは、ライブそのものの評価を背負うこととほぼ等しくもある。派生ユニット・舞祭組のライブ開催に際しては、二階堂が何度も話を聞きにきたと、同ユニットの生みの親である中居正広がその熱心な姿勢を明かしていた。先日放送された密着ドキュメンタリー『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)においても、ライブの打ち合わせのために誰より早く来て、遅く帰る姿が映し出されていた。

 しかし二階堂は、時と場合に応じ、あるいは適材適所を見て、メンバーに演出を相談し、ときに託す。二階堂主導の場合にも、北山宏光の大胆なアイデアや、横尾渉のロマンチックな発想を随所に反映させている。一方、他メンバーが中心となってライブ演出を担ったときには、自身も尽力したにも関わらず、自らそれを主張はしない。結果としてKis-My-Ft2が、ファンが良かったならそれで良いとでも言うような器の大きさを感じる。

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