寺嶋由芙、最愛の“推し”ポムポムプリンとサンリオピューロランドから届けたスペシャルなライブ 愛に溢れたステージに

 『ポム主総会2022』(同日開催されていたポムポムプリンのバースデーイベント)へ向かうため一旦ポムポムプリンがステージから捌けると、一人になった途端「はぁ……」と愛おしさのあまりその場に崩れ落ちる寺嶋。まるで恋する乙女のような寺嶋が次に届けたのは「初恋のシルエット」。どこか懐かしいメロディを歌いながら、ステージのギリギリまで観客へ近づき、眩しい笑顔を見せる。観客たちは手を横に振りながら一体感を生み出していた。曲の途中でステージ袖から顔を覗かせたのは、ハンギョドン。続く「サバイバル・レディ」では、ハンギョドンと一緒に息の合ったダンスと完璧なフォーメーションを披露した。強い意志を表現したこの曲は、長く活躍する秘訣を、しっかりと胸を張ってがんばること!と寺嶋に力強く教えたハンギョドンにもぴったり。この日限りのステージを存分に盛り上げた。

 ゲストとの夢のような時間に終始笑顔の寺嶋だったが、「サンリオキャラクターと共演すると、かわいいなって顔や脳は溶けていくけど背筋は伸びますね。勉強させてもらっています。このハッピー空間に溶けながらも、ちゃんと色々吸収して引き続きがんばろうと思います」と意気込む。その言葉の通り、ここからは寺嶋ソロでのライブパートへ。爽やかな歌声としなやかなダンスが魅力の「わたしになる」、人生を語った深い歌詞に聴き入る「仮縫いのドレス」、切ない恋心を強がりながら明るく歌った「彼氏ができたの」と、寺嶋らしさが詰まった良質な楽曲を届け、寺嶋由芙自身のライブの魅力もしっかりと見せていく。本編ラストは、すでにゆふぃすとの間で大人気の新曲「愛ならプロペラ」。曲が終わると、寺嶋はくるりと客席に背を向け、この会場へお礼を伝えるよう深くお辞儀をしてからステージを後にした。

 アンコールで最初に現れたのはポムポムプリン。ステージのあちこちを覗き、寺嶋の姿を探している様子。するとステージ上手の高い丘の上から、「世界で一番かわいい君へ」を歌いながら寺嶋が登場。〈世界で一番かわいい君へ〉という歌詞に合わせて、観客も一斉にポムポムプリンを指さす。溢れんばかりの大きな愛を優しく歌い上げながら、この日一番の大きな感動を届けた。

 最後はハンギョドンも再び登場し、サンリオピューロランドのパレード『Miracle Gift Parade』(※現在上演休止中)内の楽曲「KAWAII FESTIVAL」で、パレードオリジナルグッズ・ミラクル♡ライトを振りながら大盛り上がり。本来はキャラクターの名前のあとに〈KAWAII! KAWAII!〉と連呼する曲だが、この日は手拍子や心の中でレスポンスする観客たち。ポムポムプリン、ハンギョドンに続いて「寺嶋由芙ちゃん!」と自身の名前を入れると、さらに大きな手拍子がわき起こる。会場にいる全員が楽しさと幸せを感じながら、笑顔いっぱいのライブは幕を下ろした。

 “推しのお祝いはヲタクのお祝い”というタイトル通り、好きな人が喜んでいるのを見て自分も嬉しくなる、という喜びの連鎖を作り上げた今回のステージ。その平和であたたかな空間は、「みんななかよく」が幸せにつながるというサンリオの理念にも通じるものであり、この場所で開催することにこそ意味のあるライブであった。

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