雨宮天、ライブパフォーマンスから溢れ出るスター性 3年ぶりワンマンツアー最終公演で涙ながらに語った気持ち

雨宮天、最新ツアー最終公演レポ

 声優・雨宮天が約3年ぶりのワンマンライブツアー『LAWSON presents 雨宮天 BEST LIVE TOUR -SKY-』を開催した。愛知・大阪と公演を重ね迎えたツアー最終日、3月27日パシフィコ横浜での公演をレポートする。

 バンドメンバーがステージに登場し、「雨の糸」のピアノソロアレンジが会場に鳴り響く。演奏が終わると客席から大きな拍手が送られ、いよいよライブがスタート。

 1曲目は「Fluegel」。満を持して雨宮天がステージ上段に現れると、ペンライトの海が激しく揺れる。そんなブルーの光溢れる会場を大きく見渡し、ロングトーンを美しく響かせる姿はまさに“歌姫”。ダンサーの優美な動きと共に、会場を一気に楽曲の世界へ誘う。畳み掛けるように「永遠のAria」「蒼天のシンフォニア」と彼女らしいロックナンバーが続き、冒頭から会場はヒートアップする。

 ソロとしては約3年ぶりというパシフィコ横浜公演。長く音楽活動を続けて、ベストアルバムをリリースできたこと、ライブが開催できることへの感謝を述べる。「だいぶ攻めた内容になっていると思います」という青と赤のベストアルバム(『雨宮天 BEST ALBUM - BLUE - / - RED -』)を引っ提げたライブを支えるバンドメンバーを紹介し、「高火力なんだけど、みんなで楽しいライブを作っていけたらなと思います!」と和気藹々としながらも充実したチームワークを覗かせ、次の楽曲へ。

雨宮天

 雨宮のディスコグラフィーの中では異色のポップナンバー「PARADOX」は、ピンクの照明とキュートなダンスで魅了する。次に驚きのアレンジで披露されたのは、デビューシングルのカップリング曲である「夢空」。原曲の優しいメッセージを活かしつつも、激しいロックナンバーに変身した。さらに「Shu!Bi!Du!Ba!」では軽快なステップを見せ、セクシーでキュートな雨宮天ならではのスウィングロックを表現。

 美麗で重厚なキーボードソロが会場に鳴り響くと、空気は一変。異国情緒豊かな歌謡曲「Emerald」を伸びやかなボーカルで歌い上げる。ダンサーと独自の世界を作り出した「Catharsis」、壮大な物語を歌うような「フリイジア」と、声色や歌唱法を巧みに変えながら温度はそのままに彩り豊かな楽曲群を続けて披露し、ステージ奥へ一時退場する。

 バンドによる間奏を挟み、ハットに赤いドレス、ファーのジャケットと衣装をチェンジして再登場。歌われたのは「Queen no’ cry」。ビンテージマイクを片手にジャケットを翻し、その力強いボーカルで凛とした美しさを見せつけた。

 ロックスター然としたキレのいいボーカルが冴え渡る自作曲「BLUE BLUES」では大きな手拍子が起こり、観客の熱気は上昇し続ける。妖艶なムードの漂う「irodori」から、ミラーボールの輝く「ロンリーナイト・ディスコティック」と、ジャジーでアダルトなナンバーが続く。途中ステージから姿を消し、スクリーンにシルエットだけが映し出されるという歌詞の世界観の再現や、ブルーのパンツスタイルに衣装を変えて再び登場するという凝った演出も秀逸だ。

 ノンストップのタフなパフォーマンスを終え、MCコーナーへ。曲中でチェンジした衣装を見せながら、「アルバムのジャケット衣装をそのままライブ用に改造してもらった」という秘話や、自身の歌謡軸を集約した“赤盤“のリード曲「ロンリーナイト・ディスコティック」の制作の裏側、長い道のりを経てバンドと作り上げたという「夢空」アレンジのこだわりなど熱い音楽話から、前日に食べたラーメンの話まで、満面の笑顔で楽しいトークを繰り広げた。

 笑顔いっぱいに「みなさんまだまだ行けますか! 元気残ってますか! 疲れてませんか!」とシャウトすると、ライブはいよいよラストスパートへ。ロック軸である“青盤ゾーン”へ突入する。

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