日向坂46、なぜ今オーディション開催? 東京ドーム公演以降を見据えたグループの現在地

 2018年に行われた『坂道合同オーディション』以来約4年ぶり、日向坂46に改名してから初の新メンバーオーディションの募集が3月7日よりスタート。3月14日放送の冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)にて、小坂菜緒、加藤史帆、齊藤京子がオーディションを振り返るCMが流れ注目を集めた。3月30日と31日にグループの集大成とも言える東京ドーム公演『3周年記念MEMORIAL LIVE~3回目のひな誕祭~』を控えたタイミングでの募集は、本公演の先を見据えた背景が窺える。

 日向坂46は現在、上は26歳から下は17歳、一期生から三期生の計22名のグループとして活動。新メンバーオーディションを開催した理由を考えると、高瀬愛奈のブログ(※1)でも綴られているように、あくまでも東京ドーム公演は通過点に過ぎず、そこから新章に突入するというストーリーが想像できる。

 振り返ると、一期生の加入は2016年5月、二期生は2017年8月、三期生は2018年11月と、1年おきにオーディションが行われていたが、今回は約4年の月日が空けられた。新三期生は1年の研修期間を経て加入しているが、それでも2020年2月16日の加入から2年の月日が経っている。

 二期生のオーディションは、メンバーやファンの間でも「立てこもり事件」として語り草となっている。2017年4月6日に『欅坂46デビュー1周年のアニバーサリーライブ』で、けやき坂46(ひらがなけやき/日向坂46の前身グループ)のメンバー追加オーディションを発表。今考えるとひらがなけやきの独立を見据えての募集であったと思われるが、本来はアンコールでのサプライズとして発表する映像をリハ中にメンバーが見てしまったことが事件の発端。グループとしての独立もメンバーが欅坂46に昇格することもなかった一期生にとって、この新メンバー募集に対して自分たちの力不足と捉えても仕方なかった。オーディションを知った全員(その場を離れていた加藤史帆、柿崎芽美を除く)が近くの衣装部屋に駆け込み、佐々木美玲は「もうみんなで辞めよう!」と叫んだという。ただ、2017年8月13日に小坂菜緒をはじめ、渡邉美穂や丹生明里など、二期生の9名が加わり、今ではグループに欠かすことのできないメンバーとして活躍を見せている。

 三期生募集は、2018年夏に『坂道合同オーディション』として行われた。当時は二期生が入ってきたばかりで新メンバーはまだ早いと思われたが、けやき坂は唯一の三期生として上村ひなのが加入。本人にとってはプレッシャーだったであろうが、たった1人というスター性のある物語が生まれる。そして、合同オーディションに合格したもののセレクション落ちしたメンバーが1年の研修期間を経て、2020年2月16日に髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世の3人が新三期生として加入。結果的には当初の長濱ねるのように、一人だったところから仲間が増えるというドラマティックな流れが出来上がり、今では三期生のユニット曲も作られるなど結束を強めている。

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