AK-69、前代未聞の鈴鹿サーキットライブで示したジャパニーズヒップホップの最高峰 日本武道館公演に繋ぐ圧倒的な熱量
AK-69が2022年1月7日、無観客配信ライブ『THE RACE in SUZUKA CIRCUIT』を開催した。2020年8月には名古屋城をバックにした配信ライブ『LIVE : live from NAGOYA』で大きな話題を集めたAK-69。同ライブについて彼は、「ライブができなくなって、いろんなアーティストが横並びで配信ライブを始めましたけど、『俺たちのAKが、こんなすげえことをやってくれた』と誇らしい気持ちになってくれたんじゃないかなと」(※1)とコメントしていたが、鈴鹿サーキットを使った今回のライブでは、さらにスケールアップしたパフォーマンスを披露。最新アルバム『The Race』に客演参加したANARCHY、¥ellow Bucks、RIEHATA、Bleecker Chrome、DJ RYOWも登場し、日本のヒップホップの最高峰を見せつけた。
映像は、ヘリで鈴鹿サーキットに降り立つAK-69の姿からスタート。疾走するレーシングカーの前でマイクを握りしめ、「さあレース始めようか」という言葉、そして、アルバム『The Race』の1曲目「Checkered flag」でライブは幕を開けた。サーキットのど真ん中に設置されたステージで〈このサーキットに横付け trailer 真夜中ハッチ開けば映画〉というーーまるでこのシチュエーションのために用意されたーーラインを響かせ、背後には炎が立ち上がる。
ここからは次々とゲストが登場し、『The Race』の曲順通りに進行。まずはANARCHYとともに本物のピットインで披露された「Pit Road feat. ANARCHY」。〈身の程わきまえろ お門違い〉と言い放つ「You can’t tell me nothing」をパフォーマンスした後、私物のランボルギーニでコースを走り、ちゃんみなをフィーチャーした「Racin' feat. ちゃんみな」へ。ヒップホップシーンで勝ってきた二人のフロウが響き合い、〈賭けてみせろYourself 旗を上げろチャンピオン〉と狼煙を上げる。
「鈴鹿サーキット、調子はどう? 見てよこの会場。ふだんだったら、マシンたちが一直線に走り抜けるところで、いまここでライブさせてもらってます」「レースである以上、散っていく者もいて、勝利する者もいる。ヒップホップゲームのなかの栄光や影を表現した曲をこのサーキットのストレートで歌いたいと思う」というMCからはじまったのは、「It’s not a game」。曲のエンディングでマシンが高速で走り抜ける演出も心に残った。
さらにRIEHATA、ダンサーたちによる官能的なステージングと〈生きてくスピードが早いだけスゲーだけ〉というラインが絡み合う「Thirsty feat.RIEHATA」、「男としての、成功したヤツとしての所作がレベル違うってことを教えてやるよ」と挑発した「PPAP」をぶちかまし、ライブの高揚感を力技で引き上げる。