寺嶋由芙、8年間の歴史を詰め込んだ記念ライブ『#末広がりのゆっふぃー』 ゆるキャラとの共演や5回の衣装替え、新曲披露も
寺嶋由芙デビュー8周年記念ライブ『#末広がりのゆっふぃー』が、2月26日に浅草公会堂にて開催された。約2時間半のライブでは、デビュー曲から初出しの新曲まで全27曲を披露し、ゆるキャラとの共演や5回の衣装替えなど、見所も盛りだくさん。これまで歩んできた8年間の歴史と、この先の活動への期待も感じさせる、素晴らしい記念ライブとなった。
まさに“古き良き”を体現したような会場には、ハチマキやハッピを身につけた観客が集結。客席にはペンライトの代わりに、本公演のグッズである提灯の灯りがともっている。開演を告げるレトロなベルが鳴ると、まずは前座としてのステージがスタート。赤い着物に番傘という出で立ちの寺嶋由芙が客席後方から登場すると、大きな拍手がわき起こる。黒子による花吹雪が舞う花道をしずしずと歩きながら、演歌曲の「終点、ワ・タ・シ。」を披露。続く「夏’n ON-DO」では、浅草新仲見世商店街マスコットキャラクター「浅草新にゃか」と、テイチクエンタテインメントのキャラクター「こぶしまる」が登場し、祭囃子に合わせて一生懸命にダンスをする。寺嶋らしさ満載の楽しいステージに、会場はほっこりムードへ。
ここで前座は終了。一旦ステージから捌けると、「8年間どうもありがとう! 最後までごゆっくりお楽しみください!」という寺嶋の影アナがあり、改めて本編がスタートした。緞帳が上がると、そこには真っ白なドレスとカチューシャ、キラキラ光る銀色のシューズを身につけた、天使のような寺嶋が笑顔で待っていた。観客たちの手拍子に合わせ、「冬みたい、夏なのに。」「君より大人」を軽やかなダンスと共に歌い上げる。「知らない誰かに抱かれてもいい」ではシリアスで大人っぽい表情を見せ、“古き良きアイドル”を具現化したという「みんな迷子」では、透明感のある歌声と、指先まで神経を行きわたらせた繊細なダンスで、会場中を魅了した。
最初のMCでは、「8年の色々な時に皆さんに支えてもらいましたので、お疲れ、ありがとうの気持ちを込めていっぱい歌います」と意気込みを伝える。そして、「今日を機にまた、ゆっふぃーに“好き”がはじまってくださいね!」というキュートなメッセージをきっかけに、「好きがはじまる」へ。その寺嶋の言葉へアンサーを返すように、観客の手拍子の音は俄然大きくなる。この日は着席での観覧がルールになっていたが、座ったままでもしっかり振りコピをする観客たちの姿に寺嶋も満面の笑みを浮かべ、双方向へ愛が行き交う尊い空間ができあがっていた。続いて衣装とマッチした「天使のテレパシー」やメジャーデビュー曲「ふへへへへへへへ大作戦」などを披露。「初恋のシルエット」が始まると、ぴょんぴょんと元気いっぱいに花道へ駆け出していき、観客の顔をのぞき込んだり、後方や2階席に手を振ったりしながら、“ゆっふぃースマイル”を届けていく。最後に「わたしになる」を歌い終わると、深々とお辞儀をして、第一部のステージを締めくくった。
休憩をはさんでから、第二部が開幕。青を基調としたオーロラをイメージさせる美しいドレスに着替えた寺嶋は、「サバイバル・レディ」でアグレッシブなダンスを披露。「Last Cinderella」では、椅子を使った色気のあるダンスやアンニュイな歌い方で、普段とは違う寺嶋の大人っぽい一面を見せ、観客たちをドキッとさせる。「仮縫いのドレス」などを歌い終わった後のMCでは、第一部の白いドレスと今着用している衣装が、テイチクレコードの大先輩であり、この会場前に手形も飾られている、菅原都々子から譲り受けたものをアレンジしたものであることに触れ、「どちらもとびきりのドレスなんです」と嬉しそうに話していた。
ここからは、「君にトロピタイナ」「いい女をよろしく」「好きがこぼれる」とノリの良い曲が続き、会場のテンションも右肩上がり。上手へ、下手へ、花道へと、広い会場を軽やかに駆け回りながら、観客たちをノせていく。この日が初披露となった新曲「愛ならプロペラ」は、キャッチーなメロディが耳に残る曲で、ピースサインを使った可愛い振り付けを観客たちが即真似して振りコピする場面も。曲中、「9年目も一緒に飛んでいてくださいね~!」と花道へ駆け出していく寺嶋の姿に、胸が熱くなった観客も多いだろう。そしてラストは、ライブ定番曲の「ぜんぜん」。手拍子によるコールも寺嶋にはしっかり伝わっているようで、〈ぜんぶぜんぶ好きなんです〉という歌詞のあとに届けられた、ゆふぃすと(ファンの呼称)たちの手拍子による“俺も!”に、「私も~!」と元気に答えていた。